« 2004年4月 | トップページ | 2004年6月 »

2004年5月

2004/05/31

ふえるこどもの入場者(5月26日)

 26日の午前、高知県立美術館で、高知県文化財団の理事会が開かれましたが、最近開かれたピカソ展では、こどもの入場者がふえたとの報告がありました。

 その内容はと言えば、去年開かれた、モネと印象派の画家たちの展覧会が、64,000人近い入場者のうち、小中学生の入場者の比率が7パーセントだったのに対して、ピカソ展は、9万人をこえる入場者に対して、小中学生の割合が、モネ展の倍の14パーセントあったということです。

 高知県では、文化施設への小中学生の入場料は、無料にしていますので、こどもの入場者がふえても、収益にはつながりませんが、以前から、美術館に限らず、文化施設への小中学生の入場を、いかにしてふやすかが大きなテーマでしたので、少しでも、その兆しがうかがえる情報だと受けとめました。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2004/05/26

今日は“長無日”(5月25日)

 25日の午後、東京の武道館で開かれた、地方財政危機突破大会に続いて、三位一体の改革に関する提言をまとめるための、全国知事会議が開かれました。

 このうち、武道館の大会には、全国の知事や市町村長をはじめ、県や市町村の議会の議長など、およそ7千人が参加しました。

 陰暦の10月のことを、神無月(かんなづき)と言いますが、これは、この時期、全国の神様が出雲に結集するため、全国各地から神様がいなくなるという意味です。

 これに例えれば、今日は、全国の自治体と議会の長が、武道館に結集しましたから、全国から長がいなくなる、神無月ならぬ“長無日”(読み方は、「おさなび」でしょうか)だったわけです。

 その一角を担う全国の知事たちの会が、その後開かれて、三位一体の改革に向けての、知事会としての提言について話し合いました。

 この提言は、知事会の中の委員会などで、すでに何度も議論をしたものですが、同じ地方と言っても、大都市部とそうでない地域との間には、税収などの条件に大きな違いがありますし、地方からの、補助金削減の要求などに対して、各省庁が打ち出す秘策への対応も、各都道府県によって、受けとめ方が異なりますので、各論になると、様々な意見が飛び出します。

 こうした議論を受けて、自分としては、おおむね、次のような趣旨の発言をしました。

 「まず、戦略として大切なことは、全員が一致団結することではないか。確かに各論になれば、色んな意見が出るが、そのすき間をついて、知事会を分断しようと各省庁は狙っていると思う。私たちは、事務方のトップであると同時に、政治家なのだから、どこかの一線で、政治家としての決断をしよう」

 「また、戦術としては、この暮れの国の予算編成の時期に向けて、削減される補助金の詰めなどに、知事会がかかわっていけないだろうか。と言うのも、このままでは、去年に続いて、暮れの予算編成の中で、各省庁の調整が行われることになるだろうが、これまでのように、総務省が地方を代表する形で、水面下で調整をするのでは、マンパワーの面からみても、とてもたちうちできない。であれば、知事会の中に、各省庁担当の委員会なりを作って、各省庁と直接折衝をしていく形を考えるべきではないか」という2点です。

 最後は、梶原会長の仕切りで、提言がまとまりましたが、今後、各論が進むにしたがって、難題が次々と出てきそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

バラのうんちく(5月24日)

 23日の夕方、海外旅行の経験も豊かな、お年寄りの女性と話をしていて、東欧のブルガリアが、バラの花で、経済の一端を支えている国であることを知りました。

 と言うのも、ブルガリアに関しては、ヨーグルトを思い出すのがせいぜいといった程度の、はかない知識しか持っていなかったからですが、国内には、延々7キロも続く、有名なバラの谷があるのだそうです。

 ところが、この方は、何度この谷を訪れても、バラの花にお目にかかることがないため、「どうして、いつ行っても花がないんですか」と尋ねました。

 すると、「いつも何時頃に、バラの谷に行かれますか」と、逆に質問をされましたので、夜飛行機で着いた翌朝の、10時頃に行くことが多いですね」と答えますと、「それでは、いつまでたっても花は見られませんよ」と言われてしまいました。

 なぜかと言えば、これは、観賞用のバラではありませんので、夜も明けきらない、午前4時頃に花を摘み取って、その花びらを蒸して採りだしたバラの油を、香水の原料として、フランス向けに輸出をしているからだそうです。

 バラと言えば、見て楽しむものと決めこんでいましたが、様々な活用法があるという、うんちくをふやすことができました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

聞くは一時の恥(5月23日)

 23日の夜、東京の歌舞伎座で、久しぶりに芝居見物をしました。

 市川海老蔵の襲名披露の公演ですので、口上はもちろんのこと、ご当人が富樫役をつとめる勧進帳など、盛りだくさんの出し物でしたが、内容の解説をしてくれる、イヤホーンを借りたところ、お芝居が何倍も楽しく見られました。

 と言うのも、勧進帳の筋は、子供の頃に、親から聞いた記憶があるのですが、覚えているのは、弁慶が、何も書いていない巻物を広げて、お寺への寄進を呼びかける勧進の文章を、すらすらと読みあげると場面くらいで、富樫の心の中に起きる微妙な変化などは、解説を聞いて初めて知りました。

 それだけに、最後に弁慶が、六方を踏んで花道から消える有名な場面も、これまでは、単に、格好の良い見せ場くらいにしかとらえていませんでしたが、二度と出会うことのない弁慶と富樫が、お互いの今後の身の上を案じながら、最後の別れをする場面と知って、思わすじんとくるものがありました。

 聞くは一時の恥と言いますが、知ったかぶりをしていて、得はありませんね。


 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

総理の訪朝の評価(5月22日)

 21日の、小泉総理の訪朝に対して、様々な評価がなされていますが、外交には、表向きはわからないことが数多くありますので、今の時点で、批判的にのみとらえるのもどうかなと思います。

 もちろん、10人の拉致被害者のご家族にとって、不満な結果だったことは、十分に理解できますが、そのことも、すでに解決済みだといっていた相手の姿勢が、再調査へと変化したわけですから、ここは、過去の問題からだけでなく、将来に向けた両国関係の視点から、全体を見ていく姿勢が必要です。

 日本には昔から、「衣食足って礼節を知る」という諺がありますが、これは、今の時代にも通用する真理だと思います。

 だとすれば、拉致問題や核の問題には、引き続き、細心の注意をもって対応をしていくとして、それとあわせて、食料や医薬品などの援助をもとに、礼節を知る国家への手助けをすることが、両国関係の安定のためにも早道だと、以前から考えてきました。

 特に、経済特区などを通じて、少しずつ経済関係が深まっていけば、無用な摩擦を起こして、その関係を崩すことの損得勘定を、相手側も、当然考えてくるはずです。

 こうしたことから、僕は、今回の訪朝の成果を評価しますが、それにしても、タイミングのはかり方がうまいなあと、感心をしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

情報戦の時代(5月21日)

 21日、出張先の東京で、マスコミの方と話をしていましたら、最近は、まさしく情報戦の時代だという話になりました。

 それは、政治家の年金の未納問題をめぐる、マスコミへの情報のリークに関することで、3人の閣僚に始まり、菅さんへ、そして、小泉さんへというターゲットの移し方が、憎らしいほど絶妙だというのです。

 しかも、すべての情報は、週刊誌に流された後、週刊誌の新聞広告用の記事を見て、新聞やテレビが追いかけるという形ですので、このあたりにも、手練れの技を感じないではありません。

 そこに、どういうグループが介在をしているのかの調査も、マスコミの手によって進められているようですが、そうした情報を見たり聞いたりする側も、情報戦に振りまわされないだけの、見きわめる力が求められる時代かもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

地方の自立をめぐる知事鼎談(5月21日)

 21日の午前、東京の毎日新聞社で、宮城県の浅野知事と岩手県の増田知事との3人で、三位一体の改革などをテーマにした、知事鼎談をしました。

 その内容は、新聞の紙上では、6月1日の朝刊に載る予定ですが、その中で増田さんが、公務員制度の改革もあわせた、四位一体の改革が必要だと述べたのを受けて、司会役の論説委員の方から、「公務員制度の改革なども含めた、より高いレベルの臨調を設けてはどうか」との、提案がありました。

 確かに、三位一体の改革が、各省庁の間の争いや、理想と現実との間に挟まれた、地方の苦悩を生み出している原因の一つは、国と地方の役割分担を見直さないまま、つまり、これは国の仕事、これは地方の仕事という仕分けをしないまま、補助金や交付税を削減しようとしている点にありますので、三位一体の改革の前提になる、国と地方の仕事の見直しを、公務員の数や制度も含めて論じることは、とても大切なことだと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004/05/25

次の標的は地方公務員の人件費(5月21日)

 21日の午後、三位一体の改革をテーマに、霞ヶ関の界隈をまわっているうち、国と地方の財政再建にかける、小泉総理の次のターゲットの一つは、地方公務員の給与だとの話を聞きました。

 地方公務員の給与に関しては、国の役人に比べて、どれくらい違いがあるかを示す、ラスパイレス指数という基準がありますが、長い年月をかけて、多くの地方自治体が、国と地方とが同じ給与水準になったことを示す、100の指数に近づいてきました。

 ところが、最近では、小泉総理をはじめ政府関係者の中で、「そもそも、地方の公務員の給与の水準が、国と同じという理屈がおかしい。それぞれの地方の、中小企業の従業員の水準にあわせるべきではないか」といった、意見が出ているといいます。

 また、こうした動きにあわせて、人事院でも、地方にある国の出先機関の職員の給与を、地域ごとに格差のあるものするよう、準備を進めているとのことでした。

 この話を聞いて、正直なところ、さすがに小泉さんは、世の中の空気を読むカンが鋭いとの印象を持ちました。

 と言うのも、公務員の人件費は、経済成長が進む時期には、世間一般と比べて、それほど高いものではなかったはずですから、生涯賃金といった長い期間で見れば、決して払いすぎにはなっていないと思うのですが、現在の時点だけを切り取って、民間がこれだけ切りつめているのだから、公務員ももっと努力をすべきだと言われれば、面と向かっては反論しにくいものです。

 それどころか、多くの国民や県民は、その通りだ、財政が厳しいと言って、私たちへのサービスを削るのなら、まずは公務員の数を減らしたり、給料を下げたりすることを考えるべきだと、小泉さんや経済財政諮問会議などの姿勢に
、拍手喝采をおくるに違いないと思います。

 世間の風の流れをどう読んで、それをどのように受けとめるのか、新しい課題が突きつけられています。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2004/05/24

悩みはつきない(5月20日)

 20日は東京で、政府関係者への、提案と要望の活動をしましたが、以前もこの欄で書いたハムレットの心境や、中央にいる方との温度差の実感などが、一層深まった思いがしました。

 と言うのも、県として重要と考える事業の要望に行きますと、相手側から、「私どもも気持ちは同じなんですが、知事会が、補助金の大幅な削減や廃止を求めている中では、なかなかやりにくい」と言った声が、率直にはね返ってくるからです。

 国と地方との間の、制度の作り直しを含めて、本来のあるべき姿を論じることと、現実にある制度を前提に要望活動をすることとは、別の問題として仕分けができると思うのですが、こちらも、正面切ってそうは言いにくのが本音です。

 また、三位一体の改革の議論にも関わりのある、関係者と話をしていましたら、地方にある無駄を感じる事例として、「県庁の庁舎が豪華すぎる」とか、「学校の校長室が立派すぎる」といった体験をあげられていました。

 それを聞いていて、「そうした印象を与えるような事業のあり方は、反省をしないといけないが、しかるべき立場の方の、きわめて限られた印象で、地方には無駄が多いというイメージが固定化されてしまうのもつらいな」と、つくづく思いました。

 雑誌などの企画で、「こんな公共事業はいらない」といった例にあげられる事業と、福祉や教育などの基礎的なサービスの面で、地方が今立ち向かっている財政的な問題とは、いささか次元が異なると思うのですが、このことをどう説明していけばいいだろうかと、悩みはますます深くなりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ハンナのかばん(5月19日)

 19日の午後、アウシュビッツ収容所の生き残りの一人で、カナダにお住まいの、ジョージ・ブレディさんが、知事室を訪ねてくださいました。

 ジョージさんは、チェコのお生まれですが、ご両親を失った後、5歳年下の妹ハンナさんとともに、始めはチェコのテレジン収容所へ、その後はアウシュビッツへと送られました。

 年令的にもぎりぎりのところで、強制労働に耐えることの出来たジョージさんは、幸運にも生き残ることが出来ましたが、戦後になって初めて、妹のハンナさんは、収容所で亡くなっていたことを知りました。

 両親の死は克服出来たものの、妹を守ってやれなかったとの思いを、長く引きずっていたため、それからも、自分や妹の経験を、外に向けて話すことはありませんでした。

 ところが、カナダに移り住んで、かなりの年月が経過した後、たまたま、ラジオの番組に出演したのがきっかけで、二人のことを綴った本が出版されました。

 タイトルは「ハンナのかばん」で、妹のハンナさんが収容所に行く時、身のまわりのものを詰めた、革製のスーツケースが題材になっています。

 アウシュビッツに保管されていた本物は、戦後消失してしまったため、今では、写真をもとに復元されたレプリカしか残っていませんが、レプリカとはいえ、かばんの表面に白い塗料で書かれた、ドイツ語で孤児を意味する文字や認識番号は、当時の雰囲気をそのままに伝えています。

 また、この本も、すでに世界の27ヶ国で翻訳をされていますが、日本では、この本の日本語版を翻訳した石岡史子さんが、国内の学校をまわって、「ハンナのかばん」を題材にした講演活動を続けています。

 そんな中、高知県では、全国でももっとも多くの学校が、石岡さんの講演を受け入れているとのことで、このほど来日をされたジョージさんが、わざわざ僕のもとを訪ねて下さったわけです。

 お話を聞きますと、この本に対しては、世界各国の子供たちから、様々な感想文が寄せられているということですが、ただ単に、ユダヤ人に対するホロコーストの側面を強調するのではなく、兄弟を大切にすることとか、お互いが助けあうといった、より普遍的なものの大切さを訴えていきたいとのことですので、このような取り組みが、さらに日本の各地に、広がっていけばいいなと感じました。

 収容所に散った少女というと、日本人は、アンネ・フランクしか思い出しませんが、そのことをジョージさんに尋ねますと、他の国でも、反応は同じですよとのお答えでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004/05/19

県の契約弁護士をふやす?(5月18日)

 最近、県庁の幹部職員と話をしていましたら、「最近は、自分で判断をせずに、上司に判断をまかせる傾向が、ふえてきているように思う」という話を聞きましたので、知り合いの法律関係者に、意見を聞いてみました。

 と言いますのも、高知県では、高度化資金で工場を立ち上げた民間の企業に、資金繰りのための融資をした行為が、背任にあたるとして、元の幹部職員が刑事責任を問われている事件があるため、自らの判断が、刑事や民事の責任を問われることにならないかとの思いが、職員の間にも広がっていると考えたからです。

 この方の意見は、「県の顧問弁護士をもっとふやすなりして、日頃から気楽に、法律上の責任になるかどうかを、相談できるようにしてはどうか」というものでした。

 そう言われてみれば、県庁と弁護士とのおつきあいは、県庁が訴えられた時とか、県全体にかかわる大きな判断が、法律に触れるかどうかといった、かなり差し迫った場合に、限られているように思いますが、課長や課長補佐がちょっと悩んだ時にも、気楽に相談できるような体制になっていれば、もっと前向きに、仕事に打ちこめるのかもしれません。

 今の県の仕事を見ていますと、これまでのように、公平性だけに気を配るのではなく、やる気のある人や企業を応援するといった、ある意味では不公平につながる考え方も、時には必要ですし、使われなくなった建物などを、本来の目的とは別の使いみちに生かしていくといった、柔軟性も求められます。

 しかし、その場合には、随意の契約に制限を加えている地方自治法との関係や、補助金の目的外への使用を禁じている法律との絡みなど、数々の問題が出てきますので、顧問という名前は別にしても、県と契約をした弁護士が、5人から10人いてもおかしくない時代になったのかと感じています。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

観光道路のゴミ掃除(5月1日)

 連休中に、高知に観光に訪れたお客様から、「横浪スカイラインを走ったら、あちこちに粗大ゴミが捨てられていてがっかりした」という、お叱りのメールをいただいていましたが、18日の午後、その報告を受けました。

 この道路は、高知県の土佐市から須崎市に通じる、横浪半島という風光明媚な地区を通る道ですが、粗大ゴミを捨てる不心得者が後をたたないため、この1月から3月の末にかけて、捨てられている自動車などを撤去しました。

 さらに、4月の初めにも、担当の職員が現場を見に行っていますので、今回、観光客の方から指摘を受けたゴミは、その後、新たに捨てられたものと考えられますが、週に2回づつ、この道路のパトロールをしている土木事務所では、道路の通行に邪魔にならない限り、頻繁には処理できない現状にあります。

 と言うのも、予算には限りがあるからで、それだけに、新しい年度が始まって間もない、ゴールデンウイークの時期に、予算の大半を使い切ってしまうと、その後に何かがあった時に、すぐには対応できなくなる心配があるというのです。

 となれば、道路の管理のための予算を使うのではなく、何か別の知恵をしぼらないといけませんが、予算で対応するのならば、ゴールデンウイークの前に、ここだけはという場所に限って、徹底してゴミの清掃をするための、観光関連の予算を組むといったことになります。

 ただ、もとはと言えば、そんな場所に平気でゴミを捨てる、不心得者の存在が問題なのですから、観光立県という視点に立って、観光のために欠かせない地域を限定した上で、その地区でのゴミ捨て行為を、特に厳しく取り締まるといった、独自の条例の可能性を、考えるしかないのかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ゴミの山を宝の山に(5月17日)

 17日の午後、高知県須崎市に工場進出している、太陽光発電に使う、シリコン製のパネルのメーカー、エムセティックの松宮社長が、知事室を訪ねて下さいました。

 お話の内容は、須崎市の浦の内にある、ゴミの埋め立て処分場の跡地に、シリコン製のパネルを敷きつめて、ゴミの山を、太陽光発電の宝の山に変えようという、壮大な夢のある計画でした。

 この計画のポイントは、いくつかありますが、その一つは、商品として売り物にはならないものの、発電能力にはかわりのない、いわゆるきず物のパネルを、集めて使うという点です。

 どんなに精度をあげても、こうしたきず物が、10パーセントほどは出るそうですが、これまでは、鉄の質を上げるための混ぜ物として、トン当たりいくらという、安い価格で引き取ってもらっていました。

 そこで、これを発電に使うことで、処分のためのコストをプラスに変えよう作戦ですが、プラスにするための宝の山の売り方が、二つ目のポイントです。

 と言うのも、ただ単に発電をして、それを電力会社などに売るといった、ありきたりの計画ではないからです。

 では、どうするのかと言えば、およそ3年の年月をかけて、1350キロワット発電能力のある、シリコンパネルの山ができたら、これを証券化した上で、まるごと競りにかけて、メジャーと呼ばれる世界的な石油会社などに、買い取ってもらおうというのです。

 もともと、地球温暖化の原因になっている、二酸化炭素を大量に排出する企業が、そのかわりに、一定の額のお金を支払うことを、「排出権取り引き」と言いますが、このように、二酸化炭素という負の遺産を、証券化するのではなく、太陽光発電という地球環境へのプラスの要素を、証券化しようという点に特長があります。

 その上、須崎市がこの証券を売り出すことで、売り上げ金の収入は、全て市に入るようにしようと言うのが、この計画の三つ目のポイントで、会社は、人件費と実費が回収できれば良いということです。

 その心は、発電用の材料を作っている企業が、それを使った最終商品である、電気の販売にまで、手を出すべきではないということですが、あわせて、「地方の自治体も、金がなくなったら自ら稼ぐことを考えなくてはいけません」という、松宮社長の言葉に、尻を叩かれた思いがしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004/05/18

森林環境税の使い方(5月17日)

 17日午前、森林環境税の使い方と、その効果をどのように評価するかについて、この問題の検討をお願いしている高知大学の先生と、意見交換をしました。

 去年の4月から、高知県が全国に先がけて導入をした森林環境税は、県民税に、一世帯あたり年間500円を上のせするものですが、もともと、5年間の期限を限った税金ですので、2年目の今年度に、形を見せられるかどうかが、一つのポイントになります。

 まず、この税がもたらした効果の評価については、1年目に行ったアンケートと全く同じ質問で、3年目と5年目にも、アンケートを行うことで、意識の変化を見ることにしました。

 と言うのも、もともとこの税は、財源の不足を補うといった、「量」に着目した税ではなく、手入れが行き届かずに荒れたままになっている森林が、水や空気などの環境に与える影響に、多くの県民に関心を持ってもらいたいといった、「質」に目を向けた税ですので、その効果を計るには、意識の変化を見るのが一番だと考えたからです。

 一方、その使い方に関しては、アンケートの結果を見ても、「間伐」と「教育」が最も多い答えでした。

 ただ、この税の収入は、年間に1億数千万円で、本格的な間伐を進めるには、あまりにも小さな金額ですので、例えば、県内何ヶ所かの道に沿って、その両側の森林を徹底的に間伐していくことで、500円を納めていただいた効果を、目に見える形で感じていただくといった、工夫が必要になります。

 ところが、ここからが、行政の仕事の難しいところで、ひとくちに森林と言っても、林業として経済的に活用する「資源循環林」と、環境や国土保全のための「水土保全林」とを区分けしています。

 その上で、「水土保全林」なら、環境の保全といった公益的な観点から、全面的に税金を投入して、間伐を進めることが出来るが、経済的に活用する「資源循環林」では、間伐をするにあたっては、あくまでも、所有者の負担を求めないといけないといった仕分けをしています。

 これは、間伐をすれば、その森林の経済的な価値が上がりますから、税金をつぎ込んで、個人や法人の財産価値を高めるのはおかしいという、ある意味、もっともな理屈によるものです。

 しかし、それだけにこだわっていますと、「水土保全林」は、たいがい人里離れた山奥ですから、森林環境税を使って間伐をしても、納税者の目にはふれにくくなりますし、逆に、道路の脇の森林は、たいがいが「資源循環林」ですので、この税が使いにくいといったジレンマが出てくるのです。

 そのジレンマを抜け出して、何とか、目に見える形を作っていこうということで、この日の話はまとまりました。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

アクセルかハンドルか(5月17日)

 17日午前に開いた庁議で、「6月4日に予定されている、地方財政にもかかわる、政府の骨太の方針の発表や、7月の参議院選挙の結果を想定して、市町村合併や、県財政と予算づくりに対する考え方を、思い切って切りかえるなり、踏み込むなりすべき時だと思う」との、考え方を示しました。

 そのきっかけの一つは、9日の全国紙の社説に、三位一体の改革に関して麻生総務大臣が示した試案を、地方を甘やかすものだといった視点から、厳しく批判する記事が出ていたことです。

 その論調は、これまで地方が行ってきた、行財政改革への努力を全く無視している上、地方の現状とも、相当かけ離れた内容ですが、「地方の無駄づかい論」がここまで浸透しているとなると、その論理展開の問題点を、多くの国民に理解してもらうのは、容易なことではないという、気力の低下も感じました。

 それに加えて、1週間前の庁議で、市町村合併が、なかなか進まない実態も報告をされましたので、部局長ら幹部が集まる庁議で、そうした状況に対する考え方を示したわけです。

 と言いますのも、次の骨太の方針が発表される時期は、6月4日と、選挙の目前ですので、あたりさわりなく、その後の進め方など、行程表を示すだけにとどまりそうですし、選挙では、あまり大きな変化が起きるとは予想されていません。

 そうなりますと、「地方の無駄づかい論」は勢いを増して、地方交付税などの、さらなる削減につながっていくことを、覚悟しておかなくてはなりません。

 これまで高知県では、他の県に先がけて、行財政の改革に取り組んできましたし、地方公務員の人件費には、人事委員会制度を中心にした、歴史的な経緯もありますから、職員の数や人件費の大幅な削減を行う前に、やるべきことがあるとの姿勢をとってきました。

 また、市町村合併に対しては、国や県が強制をするのではなく、あくまでも、地域の住民の、主体的な判断に基づいて進めるべきものだとの、考え方を貫いてきました。

 それぞれの姿勢や考え方には、間違いがないと確信をしますが、ことここに至っては、「合併を、より強くうながす」といったアクセルを踏むとか、「部局ごとの予算のシーリングから、部局をこえた思い切ったシェアの見直し」といった方向に、ハンドルを切るなどの、判断をせざるを得なくなってきたと感じています。

 それに加えて、すでに進めている、県庁の業務の大幅なアウトソーシングに向けた取り組みでも、職員の数のさらなる削減と組み合わせて、少ない職員でも動いていける、ロー・ギアで走る県庁を作るといった、ギア・チェンジが求められるかもしれません。

 このため、6月の末から7月にかけて行う予定の、県庁内の政策協議の場などを通じて、その方向性を検討した上で、参議院選挙後に開かれる、7月の県議会の冒頭には、提案理由の説明の中でも、表明をしたいと考えています。 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

初亥会の一行が高知へ(5月16日)

 16日の夜、来高中の初亥会の方々と、夕食をご一緒しました。

 初亥会とは、昭和に入って初めての亥年にあたる、昭和10年生まれの方々の親睦の会で、日本銀行の福井総裁や、日本郵政公社の生田総裁をはじめ、オリックスの宮内会長等々、そうそうたるメンバーが名を連ねています。

 毎年一回は、奥さまづれで地方への旅行を楽しまれているとのことで、今年は、高知に足を運んでいただきましたが、日程2日目の夜は、高知市内で夕食をされると聞きましたので、わが家も夫婦づれで参加しました。

 その席上、竹のことが話題になりましたので、最近は竹やぶがどんどん広がって、竹やぶ公害が問題になっているといった話をしますと、オリックスの宮内さんが、すかさず、「それには、いい手がありますよ。それは、“どうも竹の子を食べると体に良いらしい”と、耳もとでささやいていくんです」と、秘策を教えて下さいました。

 すると、郵政公社の生田さんが、「その通りで、韓国では、昔はいたるところにカラスがいたのに、カラスが漢方薬に使えるという口コミが広がって、5年ほど前から、カラスの数がめっきり減ったそうだ」という話を、披露されました。

 口コミと言えば、“バレンタインデーにはチョコレートを”という口コミを、見事に成功させた、メリーチョコレートの原社長からは、「47年前、初めてバレンタインデーにチョコレートを売り出した時には、500円の板チョコが3枚しか売れなかったんです。それが、今年のバレンタインデーには、2週間で67億円の売り上げでした」という話を、聞かせてもらいました。

 最初のアイディアの良さはもちろんですが、ねばり強く売りこんでいく、努力の大切さを知らされました。

 この話とは別に、生田さんからは、「郵政公社としても、地方の郵便局が地域で果たしている役割は、十分に理解しているので、この点に関しての地方の声が、もっと強く出てきてもいいのでは」との、アドバイスもいただきました。

 三位一体の改革をはじめ、地方の側には、いささかの打たれ疲れもないではないですが、打たれっぱなしでは
なく、地方の声を、ねばり強く伝えていく努力が必要なのでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

特区の落とし穴(5月15日)

 15日の地域での懇談会で、もう一つ学んだことがありました。

 それは、お年寄りの福祉に関することで、バス停にさえも行けないお年寄りの、車での送り迎えなどが、白タク行為にならないように、規制の枠を取りはらってほしいという声は、以前から強くあります。

 この日の会でも、大豊町という、典型的な中山間地域の町で、介護福祉などのお手伝いをしているグループの方から、あらためて、このことに関する指摘がありました。

 実は、この問題は、すでに、いわゆる「特区」として取りあげられた結果、全国どこでも、陸運関係の役所が認めれば、白タク行為として取り締まられることはなくなったのですが、よく聞いてみると、予想しなかったような、落とし穴があるようなのです。

 と言いますのも、役所が、白タクには当たらないと認めるためには、鉄道もバスもタクシーもないといった、運輸交通の面での、過疎の指定をする必要があるのですが、大豊町には、JRの土讃線が走っていますし、バスやタクシーの事業者もないわけではありません。

 それでも、実際には、バスの停留所まで、歩いて1時間以上かかるとか、タクシーを呼んでも、すぐには来てもらえないとか、役所の机の上の書類とは、かけ離れた交通事情ですが、少なくとも役所の統計上は、交通機関が足りない、交通過疎地域とは言えなくなってしまうのです。

 これが、特区の申請などない頃なら、厳密には白タク行為にあたっても、現実的な判断で、お目こぼしをされていた面もあったようですが、特区による規制緩和と引きかえに、交通面での過疎地域の指定という、ガイドラインが引かれた結果、かえって対応が厳しくなったというわけです。

 特区の制度そのものの責任ではありませんが、こんなこともあるのだなと、大いに勉強になりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

無農薬有機農業の学校(5月15日)

 15日午後、四国の水がめと言われる、早明浦ダムに近い、土佐町のセンターで、地域の方々との懇談会が開かれました。

 こうした懇談会は、知事になって以来、10年あまりの間ずっと続けていますが、この4月からは、地域の人たちの活動やアイディアを手助けしていくために、県の職員50人を、地域の現場に派遣していますので、こうした職員と一緒になっての、新しい形の懇談会の第1回という位置づけです。

 懇談会には、土佐町を含む、この地域の4つの町村から、14人の方が参加してくださいました。

 NPO活動をはじめ、農業、林業、福祉、地域づくりなど、様々なテーマが話題にのぼりましたが、特に、なるべく早く課題を解決して、具体的な取り組みにつなげたいと思ったのは、無農薬有機農業の学校を立ちあげようというプランです。

 この提案は、この地域に、最近「超かんたん、無農薬有機農業」という本を出版した、山下一穂さんという、その道では、ちょっとしたカリスマになりつつあるお百姓さんのいることが、大きなきっかけになっています。

 すでに、山下さんのもとには、無農薬有機農業を学びたいという若者や、脱サラの人などが、次々と訪れていますので、学校を開いた時のお客さんにはことかきません。

 また、この地域のJAなどが参加をして、地域の産品を販売する、「土佐千里」というお店を、大阪の千里に開いていますが、無農薬有機の農産物を求めるお客さんの要望に、十分応えきれていない現状ですから、生産物の販路も確保されています。

 では、学校を開くにあたっての施設はと言いますと、この地域にあった大工さんの養成所が、経営に行き詰まって、空き屋同然になっているのです。

 しかも、ここは、全国から生徒を募集していましたので、県外の方が寄宿する寮も準備できます。

 さらに、農業の将来を考えてみますと、中国産などとの国際競争はもちろんのこと、大都市近郊でも、野菜作りが盛んになりますから、このままでは、高知県の野菜作りの技術や歴史が、いかにすぐれていようと、厳しい将来を覚悟しなくてはなりません。

 こうし中で、無農薬有機の農産物を求める消費者の流れは、確実なものがありますので、一日でも早く、高知県としてその旗があげられれば、全国に向けての強いアピール効果がありますし、そのことが、高知県の農業全体の、イメージアップにもつながります。

 こうした懇談会に出てきてくれる、民間の方々が、日々感じられている危機感を、役所の側がすばやく感じ取ることで、こうした企画が、少しでも早く実行に移されるように、努力したいものです。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

資格試験の実施日(5月14日)

 県が担当をする資格試験の、実施日の決定と、その周知の仕方に関して、県民の方から、クレームのメールをもらいました。

 その方によると、試験がいつ実施されるかを、県庁の出先の事務所に、5回問い合わせたたのに、「まだ決まっていない。決まったら公表をする」と繰り返すばかりで、なぜ決定が遅れているのかとか、だいたいいつ頃になるのかなど、こちらが知りたいことに対して、気を配った答えがなかったということでした。

 担当の課に聞いてみますと、「いつもの年なら、7月に行っている試験が、手続きの都合でずれこんでしまった。まだ、実施要領などが決まっていないので、その内容が詰まったら発表をするつもりだった」と言います。

 そこで、「例年に比べて遅れたのであれば、なぜ遅れているかを説明してあげればいいし、実施日が決まっているなら、その日取りを、まず知らせればいい。もし、細かい点が決まっていないことが、何も言えない理由ならば、“試験日は何月何日です、細かいことは、決まり次第お知らせします”と言えばいいことではないか」と伝えました。
 
 あわせて、県庁の全ての部署に対して、同じような事例がないかどうかを、確かめてほしいと指示しました。

 10年前に比べれば、ずいぶん進歩はしていると思いますが、県民サービスの徹底はまだまだだなと、反省をさせられました。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

「四国・山の日」への第一歩(5月13日)

 13日の午後、愛媛県の内子町にある、古い芝居小屋で、愛媛県の加戸知事との対談をしました。

 この対談は、毎年一回、両県が交代で開いているもので、今年が5回目になりますが、四国でのSL(蒸気機関車)の復活や、松山空港に上海便が乗り入れるにあたっての、高知県としての協力など、話題は多岐に渡りまし
た。

 あわせて、高知県では去年の4月から、全国に先がけて、「森林環境税」を導入したのを受けて、11月11日を高知・山の日」と名づけて、様々な取り組みをしていますので、愛媛県にも協力を呼びかけました。

 この件に関して加戸知事は、以前から、「高知県が先鞭をつけてくれれば、愛媛県は後追いをします」と、言ってくれていましたが、すでに、高知県と同様の「森林環境税」の設置に向けて、準備が進められています。

 さらに、「山の日」の取り組みについても、「11月11日は、木を4本ならべた形で、山の日のイメージにもふさわしいので、愛媛県も、11月11日に山の日を実施したい」との、心強いお返事をいただきました。

 もともと、「森林環境税」や「高知・山の日」の取り組みを進めるにあたっては、高知県だけにとどめるのではなく、これを四国全体に広げていければ、全国に向けても、大きなアピール効果を持つし、それによって、環境税の設置といった、全国的な動きにもつなげていけるのではないかと考えていました。

 今回、加戸知事から表明された、愛媛県の動きに続いて、香川県や徳島県でも、同様の取り組みをしていただければ、「高知・山の日」を、「四国・山の日」に発展させていくことも夢ではないと感じています。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

高校の空き教室でテレワーク(5月12日)

 12日の午前、教育委員会から、県立の大方商業高校の空き教室を、テレワークのオフィスに使うという提案を、地域再生のアイディアとして、国にあげるとの報告がありました。

 大方商業高校は、生徒数の減少などから、単位制の高校として新しい出発をすることになっていますが、それでも、空き教室がでますので、そこをテレワークのオフィスとして活用したいという提案が、地元のグループから出されていました。

 それを実現するには、教室として使うために、国から出ている補助金を、目的外の使用を理由に、返還する義務が生じることの他、県の施設の無償貸与の手続き、さらには、オフィスが夜遅くまで使われる時の、管理上の問題など、解決しなくてはならない課題も数々ありますが。

 しかし、この学校の施設を、県の西部で、高等教育が受けられる場に活用したいとの、僕の思いとも重なっていく面がありますので、この提案を、積極的に後押ししていきたいと考えています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

皇太子の会見に驚く(5月11日)

 10日の午後、ヨーロッパ訪問を前に、皇太子さまが行った記者会見の様子を、11日、テレビで見ました。

 その中で、雅子妃のキャリアやそれに基づく人格を、否定するような動きがあったことは事実ですといった表現で、外交官出身の雅子さまの悩みと、その問題をめぐる周辺とのあつれきについて、かなり踏み込んだ発言をされました。

 NHKの記者時代に、何度か、皇太子さまの記者会見の場に居合わせたことがありますが、これだけ明確な言いまわしで、思いのたけを表現されたのは初めてでしたから、その様子をテレビで見ていて、正直びっくりしました。

 と同時に、怒りにも近いと想像される思いを、淡々とした口調で語られる様子にも驚かされました。

 通常、周囲の人に、少なからぬ動揺を与えるに違いないと思われる発言をする時には、それを口にしようと決心をした時点で、知らず知らずのうちに、顔が赤らんだり口調が早くなったりするものです。

 ところが、会見の様子を見ていますと、一部言いまわしの間違いはあったものの、肝心の部分では、心の動きを全く感じさせませんでした。

 ここまで、自らのたかぶりを抑えた話し方ができる方とは、失礼ながら、思ってもみませんでした。

 過去のことを思い出してみますと、皇太子さまが、ここまで踏み込んだ発言をされたのは、イギリス留学からの帰国後の会見で、日本の皇室警備は、外国に比べてスマートではないといった趣旨の、指摘をされて以来のことです。

 その時も、警備を担当する人たちの立場にも配慮すべきではないか、といった批判があって、その後は、率直な意見表明は影をひそめていました。

 しかし、この発言の後、昭和から平成への時代の変遷も手伝って、皇室の警備は、ソフトなものに切りかわりましたし、そのことが、皇室と国民との距離を、より近づけることにつながっています。

 今回の発言は、いわゆる皇室外交をもっと積極的に進めたいという、皇太子ご夫妻の、積年の思いの発露と受けとめられますが、そうだとすれば、僕は、その方向に基本的に賛成ですし、それが、雅子さまが皇室に入られたことの意義の一つだとも思いますので、皇室警備に対する発言の時と同様、今回のことが、皇室が世界に開かれていく一歩に、つながることを願っています。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

特区の提案を募る(5月10日)

 10日の夜、県内の経済人と、特区の提案に関して意見交換をしました。

 これまで、特区に対しては、「特区とはいっても、国の各省庁にお願いをして、規制の緩和を認めてもらうといった手法なので、地方分権の考え方からみてもおかしい」という筋論から、消極的な対応をしてきました。

 しかし、そのため、県庁の職員の中に、「知事がそう言うんだから、積極的に考える必要はない」といった、雰囲気が広がってしまったと反省をしています。

 これまでの対応は、分権型社会のあるべき姿という、筋論としては誤りありませんが、地方からの提案で、全国一律の規制をゆるめていくという、せっかくの可能性を捨ててしまうのももったいないですし、この提案に知恵をしぼっていくことが、分権型社会に向けての訓練にもなると、考え方を改めました。

 こうしたことから、今後は、県としても積極的に、この問題にかかわっていきますが、役所の中でいくら考えても、実際のニーズに基づいたアイディアは出てきません。

 そこで、何人かの経済人に話を聞いたのですが、わずかな時間の意見交換からも、いくつかの種を拾うことができました。

 例えば、組合法という法律で、同業の事業所などが集まって作った組合が、第三者から得た利益は、組合員に配分できないことになっています。

 このため、産学官の連携などの努力を通じて、組合として、新しい技術を開発したとしても、その知的所有権に基づく利益は、組合の共同購入の事業などにしか、活用できません。

 その結果、せっかくの前向きの挑戦で得た利益も、その大半は、税金として払い込むしか道はなくなります。

 そこで、このような、積極的な取り組みによって出た結果は、組合員に還元できるような工夫ができないかというのが、提案の種でした。

 また、これから盛んになると考えられる、地域が主体となった体験型の観光や、アグリ・ツーリズムを進めるにあたって、農林水産省の分野や、宿泊の迎えいれにかかわる旅館業法などの分野では、すでに特区の提案も出ていますが、もう一つ、旅行業法からの視点も、必要ではないかとの指摘がありました。

 と言うのも、旅行代理店としての資格を持っていないと、不特定多数の人を対象に、ツアーの募集をすることはできませんが、これからは、アグリ・ツーリズムのグループや地域の個人が、直接募集をする道も開いておくべきではないかというのが、提案のみそでした。

 個別の事例に対しては、我田引水ではなどのご意見もあろうかと思いますが、そうした自己規制なしに、「困っていること」や「やってみたいこと」を、どんどん出しあうことが、まずは必要かと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004/05/17

学生インターン派遣のNPO評議員に(5月10日)

 大学生を、国や地方の議員に、インターン生として紹介をする、ドット・ジェー・ピーというNPO法人がありますが、10日午前、新たにその法人の理事長になった、佐藤大吾さんという青年が、知事室を訪ねてくれました。
 
 そもそもの出会いは、数年前にさかのぼりますが、議員の事務所だけでなく、県知事にも、インターンの受け入れをしてほしいというのが、その際の要望で、それは面白いと、二つ返事で「知事のそばでのインターンシップ」を始めました。

 具体的には、春休みと夏休みの間、1週間から2週間にわたって、県庁内の会議をはじめ、、打ち合わせや来客との面談、さらには、庁外での行事への出席など全ての行動を、僕とともにしてもらいます。

 マスコミも、県庁の人も知らないような情報を、いち早く知る機会もありますが、これまでに、問題になったケースもありませんし、インターンをした学生からは、大変よろこんでもらっています。

 今回、佐藤さんからは、僕のように、インターンを受け入れる知事をふやしたいので、紹介をしてほしいといった要望とともに、いくつかの大学とも連携をして、県庁の中で、ある程度の長期間、インターンを経験する仕組みが作れないかとの提案もありました。

 あわせて、以前からの知り合いの、大阪府の池田市長や愛知県の犬山市長とともに、このNPO法人の評議員
になってほしいとのお誘いがありましたので、喜んで引き受けました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

テレビは恐い(5月9日)

 8日にスリランカから帰国した後、9日は、家でゆっくりとテレビを見ていました。すると、民主党の菅さんが、朝から晩まで、何度も生番組に登場してきます。

 菅さんは、テレビを不得意とは考えていないでしょうから、ある程度の自信を持ってのぞんだと思いますが、結果は裏目に出ていたように感じました。

 あらためてテレビは恐いと思ったのですが、生番組では、ある種の瞬発力と反射神経が必要です。ですから、金曜日から日曜日にかけて、8本もの生番組に、続けて出ること自体無理がありました。

 しかも、相手側は、それまでに出演した番組での発言を、ディレクターがチェックした上で、キャスターと打ち合わせをして、質問内容を畳みかけてきますから、守りにまわらざるを得ない話題では、たちうちできるわけがありません。

 案の定、「イエス、または、ノーでお答えください」という問いかけにもかかわらず、イエスともノーとも言えない場面が、何度もありました。

 例えば、「福田さんに、先に辞任されてしまった時には、正直やられたと思った?」と言った質問にも、「それは、福田さんの判断だら・・・」と、口を濁したような答えになっていましたが、余裕があれば、「はい、正直やられたと思いました」と言ったほうが、ずっと素直に映ったと思います。

 また、笑顔を絶やさずにという姿勢は、テレビにでる際には肝心なポイントですが、こうした話題の時には、逆に、落ち着きのない印象に受け取れることも、今回新たに学んだことでした。

 自分自身が、テレビを業としていた時から感じていたことですが、やはりテレビは恐いものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

連休はスリランカで(5月1日〜7日)

 連休を使って、一週間スリランカに出かけました。

 スリランカは、インド洋に浮かぶ、昔はセイロンと呼ばれた国ですが、この国のコロンボ港と高知港が、姉妹港の関係にありますし、仏教にかかわる世界遺産が数多くあって、僕にとっては心の休まる国ですので、これが5回目の訪問になりました。

 休みとはいえ、貧乏性のために、何人かのしかるべき人ともお会いをしましたので、その時に聞いた話を、少し紹介しておきます。

 このスリランカから、飛行機で、さらに1時間行ったところに、モルディブという小さな島国がありますが、こちらは若者に人気があるため、毎年日本からは、スリランカの何倍もの観光客が訪れます。

 しかし、人口も財政の規模も小さな国ですから、これまでは、ニューヨーク、ロンドン、コロンボと、世界に3ヶ所しか大使館を持っていませんでした。

 こうした国が、新たにアジアに大使館を置く場合は、北京に設置して、日本をカバーさせるというのが、今は主流だそうですが、これも悔しい話ですし、日本からの観光客も多いことから、世界で4番目の大使館を、日本に作るよう働きかけが進んでいます。

 こんなところにも、中国一辺倒の流れがあるのかと、アジアの中でのわが国の位置づけを、考えさせられました。

 話は変わりますが、昔、「スモール・イズ・ビューティフル」という本で一世を風びした、シューマッハというイギリスの経済学者がいます。

 この人のことは、ほとんど知りませんでしたので、スモール・イズ・ビューティフルも、一時期のキャッチフレーズで終わったものとばかり思っていました。

 ところが、その後は、これを実践するNGOを立ち上げたということで、そのスリランカ支部の方とお会いしました。

 風力や小水力での発電や、バイオマス・エネルギーの活用など、エネルギーやライフラインの確保に向けた取り組みをしているということで、将来何かお手伝いが出来ればと思うほど、関心を持って話を聞きました。

 話は、観光に戻りますが、日本人観光客がスリランカを敬遠してきた理由の一つに、地域対立による抗争があ
りました。

 しかし、日本も加わった平和交渉のなかで、この2年間、戦闘が起きていないという実績がありますし、そうなると、それぞれの当事者の中にも、いまさら戦いを起こすのは損だという、共通認識が生まれてきたといいます。

 そんなことから、日本からの観光客の誘致にも、力をいれたいということでしたが、2年間の停戦で、双方にこうした感情が芽生えるのなら、まねをしてみてはどうか思う地域が数多くあります。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2004年4月 | トップページ | 2004年6月 »