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2005/04/08

振り米(3月30日)

 30日夜、県内の中山間地域出身の方から、死の床に伏している病人の耳もとで、米粒の音を聞かせたという、昔々の悲しい話を聞きました。

 夕食を共にしていた時のことですが、我々も、贅沢な食事をするようになったものだと話をする中で、この方が、山村の地域にあった、「振り米」という習慣を教えてくれました。

 それは、その言葉の通り、米粒を入れた小さな器を振って、米粒が当たる音を聞かせるということなのですが、貧しい山間の地域では、昔は、日常食卓に上るのは粟か稗ばかりで、生涯を通じて、米を口にすることはありませんでしたし、いまわの際になっても、米を食べさせることなど出来ませんでした。

 このため、せめて息のあるうちに、米の音だけでも聞かせてやろうと、その耳もとで、器に入った米粒を振って、「これが米の音だ」と言って慰めたというのです。

 今では、想像も出来ないような、貧しい時代の昔話ですが、話を聞いた瞬間には、「なるほどな」と感銘したものの、しばらくすると、そんなことはすっかり忘れて、贅沢な食材に舌鼓を打つ自分がいました。

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