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2005年11月

2005/11/23

クマさんとドングリの実(11月22日)

 22日午後、東京で、林野庁の幹部を囲んで話をする機会がありましたが、生態系の不思議といった話題で盛りあがりました。

 その席で、ある方が、今年はクマの被害はどうですかと質問をしますと、「去年はひどかったですが、今年は、それ程の報告はありませんね」という答えが返ってきます。

 また、その理由は、去年は、クマが好物にする、ドングリの実が少なかった上、度重なる台風で、実が落ちてしまったからだと教えられました。

 それなら、落ちた実を食べればいいのにと思うのですが、クマは、木になっているドングリを、よじ登って取ったり、揺すって落として食べたりするので、自然に落ちてしまった実は食べないのだそうです。

 そうか、ドングリにも、取れたての新鮮なものと、地面に落ちた古いものとでは、味に違いがあるのだろうなと、話を聞きながら一人合点をしたのですが、そうしたクマの生態を知らずに、去年ある県で、山に大量のドングリの実を撒いて、クマが里に下りてこないようにしようという作戦が立てられたそうです。

 ところが、動物の専門家から、そんなことをしてもクマは食べないし、それどころか、野ネズミが大量に繁殖をして大変なことになると注意を受けて、作戦は中止になりました。

 生態系と言えばと、林野庁の幹部の方が、もう一つ紹介してくれたのは、この方が、京都に勤務していた時の話で、嵐山の松を保護するために、松の木を何本か間引きをする計画を立てたのだそうです。

 それというのも、そもそも松は、やせた土地にも生育できる木ですが、密生して落ち葉の掃除ができなくなると、腐った落ち葉で土地が肥沃になるため、広葉樹が生え始めて、やがて松を追い払ってしまうことになるというのが、間引きを提案した理由でした。

 ところが、いくら説明をしても、嵐山の松を切るとはけしからんという方々の、強い反対を説得しきれずに、松林に手をつけることは出来ませんでした。

 結果的に、嵐山の松は、広葉樹に変わってしまったということですが、松に関して言えば、もう一つ、松茸をはやすためにも、落ち葉かきをして、地面をきれいに掃いておかなければいけないということで、自然の生態系の話は、聞けば聞くほど奥が深いと感心をしました。

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法務総合学部とは(11月21日)

 21日午後、県立大学に設置が予定されている、社会科学系の学部の、構想を検討していただいている法律の専門家から、法務総合学部という、従来の法学部とは違った、新しい大学モデルの考え方をうかがいました。
 
 この構想は、従来の法学部が、主に裁判など、法律の専門家が関わる場面を想定して、人材の育成をしてきたのに対して、これからは、企業経営や情報化社会の中でも、法律との接点が、飛躍的に広がっていくことに着目をしています。

 このうち、企業経営の面では、投資ファンドやIT企業による、企業買収に潜む倫理上の問題や、法律に則って行動することで、無用なリスクを回避していこうという、コンプライアンスの考え方などがあげられます。

 また、情報化の面では、コンピュータソフトや漫画などの、知的所有権をめぐる問題や、情報のツールを使った新型の犯罪への対応など、日々新たな法的な問題が生じています。

 こうしたことから、法律専門のコースとあわせて、「法経営」と「法情報」の2つのコースが構想されていますが、あわせて、学生一人一人の質問と答えや、学習テーマの資料が、学生自身のデータベースとして蓄積されていくシステムや、一人の教官が、個々のテーマを持つ学生に同時に対応するという、これまでにはなかった授業の形態も提案されています。

 正直を言って最初は、いまどき法律かという思いで、お話を聞き始めたのですが、説明を聞いているうちに、これは面白いと、自分の受けとめ方が、変わってくるのに気づきました。

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たまったものを(11月20日)

 20日は、公邸への来客を除けば、外に出かける用事がありませんでしたので、たまっていたブログを、ほぼ2週間分一気に書き上げましたが、おかげで、かなり目がくたびれました。

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2005/11/21

じゃこ丼を食べる(11月19日)

 19日午後、県東部の安芸漁港の近くで、初めて、「じゃこ丼」なるものをいただきました。

 この日は、その後に、視察や意見交換会が予定されていましたので、腹ごしらえを兼ねて、安芸市が、地元の食材として売り出したいという「じゃこ丼」を、海岸ぶちで海を見ながら頬ばりました。

 これは、丼一杯のご飯の上に、釜揚げしたじゃこをたっぷりのせて、大葉とユズの皮の千切りをトッピングに、ユズの絞り汁とお醤油で、味つけをして食べるのですが、ユズの果汁とじゃこが、これほど合うとは知りませんでした。

 いわば漁師さんのまかない飯で、野趣見もありますし、何よりお腹がすいていたこともあって、とても美味しくいただきましたが、お米の量が多かったため、途中でギブアップしようかと思いました。

 ところが、一緒に食べた漁師のおじさんたちは、ぺろっと食べてしまいますので、負けてはならじとの思いで、一粒も残さず食べました。

 そのおかげで、夕食は抜いても大丈夫なくらいでしたが、釜から揚げたてのじゃこを使えば、さらに美味しいということですので、今度は、お米の量を半分くらいにして、揚げたての「じゃこ丼」をいただいてみたいものです。

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慶応大学の看板(11月18日)

 18日午後、県西部の大方町にある県立高校で、生徒を相手に講演をしましたが、その帰りに校内を見学すると、ある教室の入口に、慶応大学と高知大学の看板がかかっていました。

 この高校は、これまでの商業高校の伝統を受け継ぎながら、新たに総合学科の高校へと転身中ですが、あわせて、空いている教室や実習室を活かして、パソコンなどを使って仕事をする、テレワーカーを育成する事業を、NPOとの連携で進めています。

 この日は、それに当てる広いスペースを見学しましたが、その隣りの教室の入口を見ると、慶応大学と高知大学の看板がかかっていました。

 聞けば、慶応大学藤沢キャンパスの総合政策学科の教室や、高知大学と連携をして、情報機器を活かした交換をしていくとのことでしたが、その縁で、この教室にいる生徒たちと、六本木ヒルズとをつなぐ企画も進められているとのことでした。

 そもそも、高校生とテレワーカーが、学校の中でふれあうこと自身、新しい刺激になると思いますが、こうした形での県内県外の大学との交流も、高校の可能性を高めることは間違いないと感じました。

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僕も同じ思いを(11月17日)

 17日午前、高知県警本部の本部長に、採用試験の際の色覚異常への要件を、少しでも緩めてもらえないかとお願いしました。

 これは、県内の大学に通う男性からの、僕宛のメールがきっかけでしたが、この方は、是非とも警察官を目指したいと、来年の受験を予定して準備を始めたところ、色弱があるから受験できないのではないかと、家族から指摘をされて調べたそうです。
 
 すると、警視庁や大阪府警の募集要項には、このことに関して、仕事に支障がなければといった、緩やかな条件がつけられていましたが、高知県警の場合、視覚や聴覚が正常なことと限定的に書かれていたため、もう少し、受験の要件を広げられないかとのお問い合わせが、僕の方に寄せられました。

 実は、このメールを見て、よそごとではない気がしたのですが、それというのも、僕も赤と緑がよく区別できない、例えば、土手の緑の中に埋もれた、赤い曼珠沙華が見つけにくいといったタイプの、色弱を持っているため、NHKの試験を受ける時に、苦労した経験があるからです。

 当時、カラーテレビの普及という背景もあったと思いますが、NHKを受ける場合、受験に必要な大学からの推薦の条件の中に、色弱でないことという項目が入っていました。

 このため、受験にこぎつけるまでにも、相当な苦労をしたのですが、採用されてから辞めるまでの20年の間に、このことで、困ったり失敗したりしたことは何ひとつありませんでした。

 このため、別の用件で知事室にお出でになった、県警の本部長に、実体的な運用がどうなっているかはわからないものの、やる気のある若者に門戸を広げるためにも、出来るだけ緩やかな対応をお願いしておきました。

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日本一安全な大学に(11月16日)

 16日午前、高知工科大学の業務運営理事会で、今後の学生確保の対策を協議しましたが、その中で、セキュリティーを前面に打ち出した、新しい寮の建設が話題になりました。

 少子化が進む中で、学生確保の対策は、大学の生き残りにとって最重要の課題ですが、この日の会では、社会人への対策や、新しいコースの設置と並んで、新たな学生寮の建設が提案されました。

 と言うのも、現在、高知工科大学には、2棟の学生寮がありますが、利用できるのは1年生の間だけで、後は、民間のアパートなどに移ることになっていますので、保護者からは、もう少し寮を構えてほしいという要望が強くあります。

 また、今まで以上の、安全と安心を求める保護者も大勢おられますので、特に、女子学生の数をふやすことを考える時には、学生寮は大切な戦略の一つになります。

 そこで、建設用の土地と、寮が出来上がった後の毎年の入寮者の数は、大学が保証するかわりに、後は、手を挙げてくれる企業に、寮の建設と運営をまかせていくという、BOTの方式などを中心に、検討していくことにしました。

 こうした利便性を安価に提供できれば、大都市の国立大学と比べた際の、授業料の差も吸収できるということですので、日本一のセキュリティーを唱えれば、大きなセールスポイントにもなるのではと話が弾みました。 

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生活保護をめぐって(11月15日)

 15日午前、福祉関係の職員と話しをする中で、生活保護に関して、考えさせられることがありました。

 話題になったのは、高齢者1人当たりの医療費に関することで、県内の平均はおよそ7万円ですが、これに対して、6万円を切っている自治体があった場合、一見すると、健康づくりなどの対策が功を奏して、医療費が削減できているように見えます。

 ところが、実態を見ると、生活保護を受けるお年寄りがふえたため、その分の医療費が、国民健康保険の会計から抜けて、見かけの医療費が、下がっている場合もあるというのです。

 こうしたことから、中には、生活保護は別会計といった受けとめも、ないではないとのことで、生活保護費の国の負担分を、地方にまわそうという流れとあわせて、考えさせられる指摘でした。

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戊辰戦争の傷を癒す(11月14日)

 14日午前、県内の須崎市に進出をした、太陽光発電の素材を生産する会社の社長さんから、福島県に出向いて、戊辰戦争の犠牲者のお墓に、詣でてほしいとの要請を受けました。

 この会社は、太陽光発電に使うシリコンのウエハーを作っていますが、須崎市の他、福島県の相馬市に、広い工場用地を確保しています。

 このため、社長さんとしては、この機会に、官軍対旧幕府軍の壮絶な戦いとなった戊辰戦争以来、福島県内に残っている、長州や土佐への怨念を取り払いたいとのお気持ちが強くて、知事室に来られるたびに、福島県との融和を説かれるのです。

 この日も、土佐の軍勢に破れて、見せしめのためにさらし者にされた、会津の人達のお墓の話を紹介されながら、「是非とも、このお墓にお参りをして、御霊を鎮めてもらいたい」と熱心にお話になります。

 厳密に言えば、戊辰戦争の激戦の地である会津と、工場用地のある県東部の相馬とでは、藩も違うのですが、社長さんの思いには、そうした枠を超えたものがあるようなのです。

 とは言え、太陽光発電の材料という先端の技術と、幕末の戦いへの鎮魂という、時代のミスマッチが妙に新鮮で、鎮魂の旅が実現すれば、相馬と須崎とをつないだ、世界にも誇れるような、太陽光発電の拠点が出来そうな気がしてきました。

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高知へ帰還(11月13日)

 13日午後、4泊5日の、久々に長かった東京への出張を終えて、高知に戻りました。

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レトロでお茶をする(11月12日)

 12日午後、大学時代の友人と、東京の山の手にある、古びた商店街を歩いてみました。

 この日は、夫婦同士4人で昼食をとった後、女房たちは別の約束があるというので、2人を待つ間、友人とお茶でもしようということになりました。

 どうせなら、あまり洒落た店より、昔ながらの喫茶店がいいねと言いながら、妻たちの訪問先の近くにあった、いささか寂しげな商店街に入りました。

 まもなく、それらしい看板を見つけて近づいてみると、レストラン「ハチロー」とありますので、一旦パスをして、またぶらぶらと歩き始めました。

 すると、本舗や名代を名乗るお団子屋をはじめ、豆腐屋や八百屋に魚屋と、レトロなお店がひと通り揃っていて、嬉し懐かしの気分になりましたが、「ワインとコーヒーの店」と書かれた、準備中の札のかかったお店を除くと、喫茶店らしきものは一向に見つかりません。

 たまらず、クリーニング屋に飛び込んで、「近くに喫茶店はありませんか」と尋ねてみましたが、「この近くにはないねえ」との答えに、あきらめて、きびすを返すことにしました。

 それでもあきらめきれずに、帰り際に、あのハチローの扉を開けて中をのぞくと、「コーヒーだけでもいいですよ」との、暖かい返事が返ってきましたから、歩き疲れた体を休めることにしました。

 狭い店内は、遅めのランチをとる男性や、黙々と食事をするカップルと、実に味わいのある光景で、我々のソファーも、人工皮革のカバーが破れて、テープが貼りつけてあります。

 2人してコーヒーを啜りながら、苦労して探した甲斐があったなと、ノスタルジックな満足感に浸っていましたが、大都会の中に、こんな空間が残っていたことに、ほっとした思いを感じました。

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闘う知事会はどこへ(11月11日)

 11日午後、総理官邸で、全国知事会と小泉総理との意見交換会に出席しましたが、闘う知事会はどこへ行ったのかといった印象でした。

 この懇談会は、以前から、年に1回開かれていますが、質問者は事前に、質問項目を文書で提出しなければならないという、いかにもお役所らしい、出来レースの色彩の濃い催しです。

 それでも、一時期は、かなり突っ込んだ意見も出ましたし、特に、前の岐阜県知事の梶原さんが、知事会の会長として、闘う知事会を標ぼうしていた頃は、それなりに、闘う雰囲気が伝わってきたものでした。

 ところが、この日の様子を見ていると、最初に挨拶と質問に立った知事会会長は、「総選挙の勝利は、改革を進めようという国民の意思の表れ」と、小泉総理を称えたり、「基幹税を使って、地方に3兆円を移すのは画期的なこと」と、現実には全く実質が伴っていない、三位一体の改革を持ち上げたりと、闘う姿勢のかけらも感じられません。

 さらに、この後、三位一体の改革や地方分権に関して、12人の知事が質問をしました。

 これに対して小泉総理は、「地方の意見を尊重するということは変わっていないし、それでいい」との、原則は強調されたものの、後は、「今は調整中、ああやれこうやれは言わない」とか、「ここで言わなくてももうじき出ますので、見ていただきたい」といった調子で、意見交換にはなりませんでした。

 そんな流れを見るにつけ、闘うための決定的な手段を持ち得ない地方が、今後、三位一体の改革と称するものに、どう立ち向かっていけばよいかとの思いがめぐりました。

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ZnO特区(11月10日)

 10日午後、東京のホテルで、高知工科大学が中心になって進めている、ZnO(酸化亜鉛)の研究開発に関するフォーラムが開かれましたが、その際の挨拶の中で、ZnO特区を考えてはどうだろうと、風呂敷を広げてみました。

 現在の情報機器に欠かせない半導体には、シリコンが使われていますし、パソコンや携帯電話の、液晶ディスプレイの薄膜には、インジウムという物質が使われていますが、それぞれ、物的な性質や採取出来る量の面に、制約や課題を抱えています。

 そこで、これらの素材をZnOに替えることで、次世代型の、新しいディスプレイなどを作っていこうというのが、この研究の大きな狙いですが、あわせて、ZnOには、紫外線や赤外線を通さないといった性質もあるため、多種多様な用途が考えられています。

 こうしたことから、将来、事業化が具体化した時には、関係する企業が、県内に立地してくれることを期待していますが、資金も技術もグローバルに動く時代に、開発の端緒が高知にあるというだけで、県外の企業が高知に目を向けてくれる可能性は、低いと言わざるを得ません。

 そこで、例えばという但し書き付きで、ZnOの特区を申請して、関連の企業がその区域に立地した時には、法人関係税を免除するといった、思い切った呼び水が必要ではないかと、この日のフォーラムの中で発言をしました。

 もし、そうしたことが実現すれば、直接の法人税は入らなくても、雇用の拡大などの面で、大きな果実が見込まれますし、こうしたことが、新たな技術開発を地域に根づかせる、鍵になるのではないかと考えています。

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功名が辻のお願い(11月9日)

 9日午後、東京渋谷のNHK放送センターを訪問して、来年の大河ドラマ「功名が辻」に関して、幾つかのお願いをしてきました。

 来年のNHKの大河ドラマは、土佐藩の初代藩主である山内一豊と、内助の功で知られる妻のお千代さんとの、出世物語を扱った司馬遼太郎さんの小説、「功名が辻」ですが、県内での盛り上がりも今一つの感があるため、NHKの幹部や担当者に、重ねてのお願いに行きました。

 それは、来年の4月1日から、高知市の丸ノ内緑地を中心に始まる、土佐24万石博の開会にあわせて、主演級の俳優を送ってほしいとか、一度是非、高知城でロケをしてほしいといったことですが、それぞれに望みの持てるお答えをいただきました。

 ただ、「功名が辻」は、一豊と千代の出世物語だけあって、2人の出身地はもとより、禄高が増すに従って移り住んだ領地など、関係するご当地が多いため、NHKとしても、各地からの要望を受けるのに大変なようでしたが、互いが足を引っ張りあうのではなく、相乗効果を発揮できるように、頑張りたいものだと思います。

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憂うべき体力(11月8日)

 8日午後、県西部の幡多地域で、幼稚園の子供たちに、スポーツを教えている先生と話をしましたが、子供たちの、運動神経や体力の衰えぶりを聞いてびっくりしました。

 この方は、以前は高校で、体育の授業を受けもっていたのですが、土佐清水市の幼稚園の園長先生に誘われて、今は幼稚園児に、スポーツの楽しさを教えています。

 ところが、話を聞きますと、お母さんが顔に水がかからないようにと、膝の上に乗せて注意深く頭を洗うため、水が顔に当たるのを、極度に怖がる子供に始まって、跳び箱を手をつかずに飛ぼうとする子や、鉄棒で前まわりをすると、途中で手を放して地面に落ちる子など、信じられないような光景が、次々と起きたと言います。

 鉄棒の場合で言えば、自分の体が逆さになる経験をしていないため、前まわりで、体が反転した途端にパニックになって、早く地面に降りようと、手を放してしまうのだそうです。

 つまりは、小さなうちから、外で遊んだりする体験がないため、運動神経も体力も、ほとんど育っていない子がふえているということなのですが、中には、体のリズム感がつかめないため、幼稚園の階段を降りるのに、お年寄りのように、一段づつそろりそろりと降りてくる子供もいるといった話を聞くと、大げさに言えば、日本の将来は大丈夫だろうか、暗然とした思いにかられました。

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まず隗よりはじめよ(11月7日)

 7日午前の庁議で、地震対策に関する、職員アンケートの内容が報告されましたが、足下の危うさを感じないではありませんでした。

 このアンケートは、南海地震対策の研修を受けた、4000人を超える県の職員に、日頃から、地震への備えがどれだけ出来ているかを尋ねたものです。

 それによりますと、例えば、寝室の中に、地震の際の揺れで落ちてきたり倒れたりするものを置いていませんかとの問に対して、38パーセントの職員が、きちんとした備えが出来ていないと答えています。

 つまり、このままでは、悪くすると38パーセントの職員は、地震の発生とともに、家具の下敷きになって、死亡するか大けがをする可能性が強くなりますので、地震が起きた後の職員の配置計画にも、大きな狂いが生じることになります。

 この他にも、古い耐震基準で作られた、木造の家屋に住んでいる職員のうち、耐震診断を受けて補強をしている人は2パーセントだけとか、ガラスにフィルムを貼ったり、スリッパを用意したりといった対策をとっている職員は8パーセントのみなど、お寒い数字が並んでいます。

 さらに、津波や火災に対しても、十分な対策を講じている職員は少数派でしたので、我がことも含めて、隗より始めよを再認識しました。

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講演準備(11月6日)

 6日は、休日を取って、来週東京で開かれる、高知工科大学の研究に関するフォーラムでの、講演の準備をしました。

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用意した答え(11月5日)

 5日午前、四万十市の医療専門学校で、学生との意見交換会に出席しましたが、予定されていた質問が出なかったため、用意していた答えの一つが没になりました。

 僕は、突然の質問にも、適当に答えられるタイプですから、こうした場合も、こちらから、質問の予定を求めることはしませんが、わざわざ予定した質問を送ってくれましたので、四万十市までの2時間ほどの車中で、幾つかの問いの答えを考えてみました。

 その中に、「最近関心のあるニュースは」という質問がありましたが、即座に思い浮かべたのは、狂言師の和泉元弥さんのプロレスデビューでした。

 と言うのも、最初この話を聞いた時には、何と馬鹿馬鹿しいと、苦々しささえ感じたにもかかわらず、試合の翌日の朝は、その結果を伝えるワイドショーを、心待ちにしている自分を発見したからですが、試合の内容は期待を裏切らないものでした。

 かいつまんでご紹介しますと、相手レスラーに、バックドロップをかけられようという時に、コーナーから飛び込んだ助っ人が、相手の背中に蹴りつける、それを見て怒った、敵の女房のゲイシャガールがリングに乱入して、元弥めがけて目つぶしを蒔くものの、誤って旦那の顔面に炸裂、目の見えなくなった旦那が、今度は誤って女房に体当たりして、ゲイシャガールは失神、狼狽する相手の後ろから、肩車の格好で組みついた元弥が、敵の脳天に数発の元弥チョップをお見舞いすると、大男は崩れ落ちるように倒れて、あえなくカウントダウンといったストーリーです。

 この試合に至るまでの、元弥さんの挑戦を知った、相手レスラーの反応や、元弥さんの、狂言の言いまわしを使った、「お主の未来に明かりは見えぬは」といった台詞なども含めて、よほどの手練れの技と感服してしまいました。

 ですから、何か企画をするなら、これくらいの練り込みをしたいものだと思って、関心のあるニュースと聞かれたら、この話をしようと考えていたのですが、時間が1時間と短かった上に、学生さんたちも、少子化の問題や介護のことなど、しごく真面目な質問に終始したため、残念ながら、この質問は出ずじまいでした。

 そのため、用意した答えも没になってしまいましたが、全般的に、社会問題が中心の質問の中にあって、「知事選挙に落ちていたら何をしていましたか」という質問は、過去に例のない新鮮な質問でしたので、なかなか良い質問をするものだと、感心をしてしまいました。

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ここにも官民格差が(11月4日)

 4日午後、高知県の行政改革に関する、アンケート結果の報告を聞きましたが、随所に、官と民との受けとめ方の違いがうかがえました。

 このアンケートは、県民の声ネットワークという、県政モニターの役割を務めてもらっている209人の県民と、1116人の県職員にそれぞれ、県の財政状況や給与のことなど、行政改革に関する考え方を尋ねたものです。

 それを見ると、官と民との間で、受けとめ方に大きな違いのある項目が幾つかあって、興味深いものがありました。

 その1つは、今後の行政改革の取り組みとして、何が重要だと考えるかとの質問に対する答えで、県民では、「給与の適正化」が47パーセント(複数回答)と、2位なのに対して、職員では13パーセントと、最下位の7位になっています。

 また、県庁の職員の、経験年数別の給与を示して、高いと思うか安いと思うかを問うた項目を見ますと、県民では「高いと思う」が49パーセント、「安いと思う」が、わずかに3パーセントなのに対して、職員は「高い」が5パーセント、「安い」が28パーセントで、際立った違いを見せています。

 とは言え、自分のもらっている給与を、高すぎるという人は滅多にいませんので、当たり前の結果かもしれませんが、その開きの大きさは、感じとっておかなければならないと思いました。

 もちろん、公務員の給与を下げればそれでいいというものではありませんが、こうした官民の思いの格差を埋める努力は、これからも大切な課題です。

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ドラえもんの声(11月3日)

 3日夜、わが家を訪れたお客様から、忘年会の余興のネタにと、声の出演を求められました。

 それは、帰り際のことでしたが、そのお客様が、「知事さん、ちょっとお願いがあるんですが」と言われますので、「何ですかと」尋ねると、「ドラえもんの声を吹き込んでもらえないでしょうか」というご注文です。

 さらに聞きますと、忘年会の余興として、誰の声か何の音かを当てるクイズをやるため、色んな声や音を集めているということでした。

 そこで、持参されたレコーダーに向かって、「僕、ドラえもん」のせりふを、高い声と少し低めの声で吹き込みました。

 以前、アンパンマンの映画で、短いせりふを吹き込んだ経験がありますが、こんな短い言葉を吹き込むだけでも、結構緊張して難しいものがありました。 

 万一、その忘年会に出席する方がこのブログを見たら、ネタばらしになってしまいますが、その時は内緒にしておいて下さい。

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風化の兆し(11月2日)

 2日午前、高知市内の護国神社で行われた、恒例の秋の大祭に出席しましたが、年々、参列者が減ってくるのを見るのは寂しいものです。

 毎年春と秋に開かれる、護国神社のお祭りには、毎回欠かさず出席していますが、知事になって間もない頃は、大祭の度に、神社の境内は、参列者は満杯になっていました。

 ところがその後、戦後50年が、そして今年は60年が経過するという年月の中で、参列者の数も減り続けてきています。

 それでも春は、お花見とも重なりますし、温かさもまずまずですから、より多くの方がお見えになりますが、11月の秋の大祭は、式の途中に冷え込みを感じるくらいで、すっかりお年を召した遺族の方々にとっては、季節的にもきついせいか、テントの下に設けられた席にも、空きが目につくようになりました。

 時の経過と経験の風化が重なれば、当然の変化とも言えますが、こうした光景を見るにつけ、平和を考える機会が、少しずつ薄れてくることを実感します。

 ピアスという人が書いた「悪魔の辞典」というブラックユーモアの辞典で、「平和」の項目を引くと、「戦争と戦争の間にある短い期間」という解説がつけられていますが、ピアスの皮肉に対抗するためには、たとえ短い期間であっても、少しでも風化を食いとめる努力が必要です。

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2005/11/14

仕切り直しが必要か(11月1日)

 1日午後、高知県を訪問した、関西経済界の方々と懇談をしましたが、県が進めている、将来の排出権取引を想定した取り組みには、高い壁があることも改めて実感しました。

 この日参加されたのは、高知県の経済活性化のために、県がお願いしている委員会のメンバーの方々ですが、お話をうかがうと、関西電力が、竹炭を使った藻場造成の研究や、オーストラリアの西部での、土壌の塩類化防止のための植林に取り組むなど、各企業が、環境をテーマにした活動に、関心を持っていることは良く伝わってきます。

 ところが、高知県が目指しているような、国内の森林管理への支援を、将来の排出権取引きと結びつけていけないかといった取り組みには、様々な理由から、まだまだ、一筋縄では行かない課題があることもわかってきました。
 
 その一方で、この日の出席者からも、「高知県の出身者に、一株株主のように働きかけられないか」との提案があったほか、別の企業からは、「株主優待券のような形で、森林を自由に活用できないか」といった投げかけもいただいていますので、仕切り直しの気持ちで、企業が関心を示してくれるようなプランを、考えていく必要があると思いました。

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元気印は女性から(10月31日)

 31日午後、県内の漁協女性部の方々と意見交換をしましたが、これだけ厳しい環境の中でも、なお元気さを出せるのは、やはり女性だと感心をしました。

 この日は、午後3時半からの意見交換会に続いて、懇親会にも8時過ぎまでおつきあいをしましたので、つごう5時間近くも、わいわいと話をしました。

 もちろん、地域によって、または女性部長のお人柄によって、話に温度差はありましたが、熱い人はめっぽう元気で、組合の幹部や体制へのご不満なども、あたりかまわず飛び出します。

 その中には、カツオのタタキ作りなど、漁業体験のメニューを構えているところや、小なりといえども、加工に取り組んでいるところもあって、なんとか頑張ろうという気概が感じられました。

 地球温暖化が漁業資源に与える影響や、原油価格の高騰など、漁業をとり巻く環境が、さらに厳しくなる中でも、元気印の核になってくれる女性の姿は、頼もしい限りでした。

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青年活動の悩み(10月30日)

 30日午後、青年団や4Hクラブの代表による、パネルディスカッションに参加しましたが、自立を目指す若者の発言に、頼もしさを感じました。

 少子化や一次産業の不振など、様々な環境の変化の中で、農業青年の会である4Hクラブや、青年団に参加する若者の数が減ってきているため、そんな悩みや今後の方向性を語り合おうと、この日の会が開かれました。

 確かに、会員数の変化を聞けば、そんなに数が減ったのかと寂しい気にもなりますが、その一方で、会場には、かなりしっかりとした考え方を持つ若者が、参加していました。

 その中で、会場から発言をしてくれた青年は、ある地域で青年団長をしていたのですが、会員は役場の職員などに限られている上、補助金があると、それを使うことだけを考えるようになるため、自らの判断で、青年団の活動は一旦中止したと言います。

 その代わりに、自分たちで、別の名前の会を立ち上げたのですが、そこではまず、自分たちがやりたいことを計画をしてから、そのために必要な財源は、みんなで米を作って売ることから始めました。

 このようにして、やりたいことを話し合ってから、それを実行するのに必要な財源を、確保する努力をしていく方が、会の運営も楽しくなるし長続きもするというのが、この青年の提言でしたが、こんな考え方の人が増えていくと、青年の活動の幅も、広がっていくかと思いました。

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下水も道の仲間か(10月29日)

 29日午後、県東部の安芸市内で、国土交通省の幹部から、道路特定財源の今後の方向性について話を聞きました。

 この幹部は、県東部への、高規格道路の整備を求める住民の集会に参加されたのですが、せっかくの機会ですので、18日のこの欄でも紹介をした、道路特定財源の行方を尋ねました。

 この財源の使い方に関しては、小泉首相が、道路以外にも使えるように知恵を出せと指示を出していますが、それにあたっては、使い道を、道路以外にも幅を広げる方法と、一般の税金と同様、何にでも使えるようにする方法の2つがあります。

 このうち、これまでは、使い道の幅を広げる方法がとられていて、例えば道路以外にも、地下鉄の建設などに使えるようになっています。

 このため、地下鉄も地下鉄道と、道の字がついているから、下水道に広げてもいいのではないかとの意見もあるそうですが、この方向には行きにくいだろうというのが、この幹部の方の話でした。

 つまり、方向性としては、道路特定財源のもとになっている、3つの税金のうちのどれか1つを、何にでも使える一般の財源に変える手法が、考えられるのではということでしたが、基幹的な道路さえ未整備の区間が多い本県にとっては、いずれの手法がとられるにしろ、重い課題であることは間違いありません。

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聴覚障害にも備えあれば(10月28日)

 28日夜、県東部の田野町で、県議会の会派「21県政会」が開いた、住民との意見交換会に出席しましたが、聴覚障害者の方から、とても切実な提案をもらいました。

 この会には、地域の手話サークルの方々とともに、聴覚障害の方も参加していましたが、その中のお一人から、災害時の不安を訴えられました。

 と言うのも、災害の際にテレビを見ていれば、台風が近づいていることや、県内でも被害が出ていることまではわかるものの、自分の家の近くがどうなのかとか、避難の必要性があるかどうかなどの情報がわからないため、かえって不安がつのると言います。

 あわせて、日頃から、体調が悪くなって救急車に来てもらいたい時にも、聴覚障害者は、電話で容易に連絡をとることができません。

 このため、地元の消防署の人に、こんな不安を打ち明けたところ、ファックスを使って、災害時に必要な情報を連絡してくれるようになった他、緊急の連絡に使える用紙を作ってくれました。

 その用紙を見せてもらいますと、まずは「火災」と「救急」のどちらかに丸をつけるようになっていて、救急の場合は、どこが悪いかを知らせられるように、表向きと裏向きの人体の図がついています。

 また、用紙の下の欄には、名前と住所のほか、血液型などがあらかじめ書き込んでありますので、そのまま消防署に送れるようになっていました。

 手話サークルの方からも、こうした工夫を他の地域にも広げてほしいと依頼を受けましたので、早速、県の担当課から、各地の消防署に投げかけることを約束しました。

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2005/11/04

スリランカ訪問(10月22日~27日)

 22日から27日までは、前後の旅行日を含めて、インド洋の国スリランカに出張しましたので、この間はお休みにします。 

 また、よい機会があれば、スリランカを訪問中に見聞きしたことを、ご報告したいと思います。

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官民の格差とは(10月21日)

 21日午前の庁議で、県の人事委員会の勧告を、今年はそのままには実施しない方針を、初めて明らかにしました。

 公務員には、ストライキ権が認められていませんので、それに替わる措置として、人事委員会という独立の組織が、民間企業の賃金との格差をもとに、毎年の給与のベースなどを勧告する仕組みになっています。

 このため、例年、人事委員会の勧告は尊重をする慣わしですが、今年の委員会の勧告は、そのまま実施をした場合、給与を引き上げる条例の改正案を、改めて議会に提出することになるため、民間の状況が大変厳しい中、これではとても、県民の理解は得られないと考えました。

 また、今回は、そのまま受けいれることにしましたが、期末のボーナスを、0.05月上げるという勧告も、全国レベルで調べた官民格差を、そのまま当てはめたものですので、高知県の官民格差の実態とは、かけ離れたものになっています。

 このため、こうした人事委員会の在り方そのものにも、批判の目が向けられていますが、制度として長年続けてきたからという理由だけで、漫然と受けいれるべき時代ではなくなってきているように、感じられてなりません。

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地すべりの影響(10月20日)

 20日午前、高知市で開かれた、地すべり対策に関する技術フォーラムで、主催団体の長として出席されていたのは、10年来のご縁のある方でした。

 この方は、旧建設省の砂防部門の責任者から、故郷の鹿児島県選出の代議士に転身されたのですが、その初めての選挙の時に、鹿児島の知人からの依頼で、応援に出かけたことがありました。

 それがご縁で、何度かお会いして話を伺ううちに、砂防や地すべりといった事業からイメージしがちな、ハードが先立った考え方ではなく、言葉自体がまだ耳新しかった、バリアフリーへの取り組みなど、新しい時代の仕事の方向性を、提案できる人だと感じていました。

 ところが、今回、郵政民営化法案に反対をしたことから刺客を送られて、あえなくその座を失ったのですが、あの地すべり的な選挙の後、同じような立場の方にお会いするのは初めてでしたので、何と声をかけたらいいものかと、一瞬戸惑ってしまいました。

 もともと、砂防や地すべりの事業と言えば、東京平河町にある砂防会館が、自民党の有力者らの、活動の拠点の一つだったことからもわかるように、自民党の選挙を支えてきた、がちがちの分野ですが、その組織が地すべりを起こすのも、時の流れの一つかと感じました。

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赤身の価値を高める(10月19日)

 19日午後、マグロ船などの世話をしている、県内の会社の社長さんから、新しい冷凍技術の効果で、マグロの赤身の価値が高まったとの話を聞きました。

 この社長の話によると、従来からの急速冷凍の技術では、冷凍をする際に細胞が死んでしまうため、解凍して身を切ると、ドリップという汁が出て、商品価値を下げてしまいます。

 これに対して、磁場を使った新しい技術を使うと、急速冷凍をしても、細胞が破壊されることがないと言います。

 このため、切っても汁が出ない「ドリップレス」になって、魚の商品価値が高まるのですが、実際に、この装置を船内に取りつけた高知の漁船が、この方法で急速冷凍をしたマグロを、東京築地の市場に出したところ、このところの最高値だった、キロ4000円の3倍近い、キロ1万1000円の高値がついたということです。

 特に、ドリップが出ないとなると、これまで、マグロの付加価値を支えてきたトロだけでなく、赤身の価値も高まるということですので、最初はお祝儀相場だとしても、今後の展開がとても楽しみになりました。

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そこにもここにも溝が(10月18日)

 18日午後、東京で、四国の道路ネットワークを考えるフォーラムが開かれましたが、その中でも、道路を巡るいくつもの溝を感じました。
 
 その溝の一つは、全国を一つにつなぐ、基幹的な道路ネットワークの必要性に関して、以前から、大都市と地方との間にある溝です。

 このことは、こうしたフォーラムを開いても、全国ネットのマスコミは、ほとんど関心を示さないことに如実に現れていますが、フォーラムでは、高知県の出身で、講演と司会をボランティアで引き受けて下さった、アナウンサーの福留功男さんが、「どうして東京のマスコミが来ていないんだ」と、壇上から、ひと声吠えてくれていました。

 もう一つは、昨今話題になっている道路特定財源、つまり、道路を作るためという限定つきで、国民に納めてもらっている税金の、使い道についての考え方のずれです。

 もちろん、財政のやりくりの厳しい時代ですから、財務省は、税金収入としては残したまま、使い道を道路以外のことにも広げたいと考えていますが、一方には、道路を整備するためという、限定つきで作られた税金だから、それ以外に使うのは約束違反だし、そうならば、一度この税金そのものをなくして、国民の負担を減らすべきだとの主張がありますので、ここにも大きな溝があります。

 さらには、地方の中でも、道路の整備が概ね片づいている所と、そうでない所との間には、この問題に対して、「同じ財源なら使い道の幅を広げてほしい」、「いや、そうではなく、道路整備のための財源として維持してほしい」という溝があって、ひと口で地方と言っても、一枚岩にはいきません。
 
 そんな訳で、この日も、フォーラムの後の記者会見で、道路特定財源へのスタンスを聞かれた時には、歯切れの悪い答えにならざるを得ませんでしたが、これらの溝も、時代の変化が作り出していることに、間違いはありません。

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福祉の自給率(10月17日)

 17日午後、滋賀県長浜市で開かれた、有志の知事らの会合で、「福祉の自給率」という、聞き慣れない言葉に出くわしました。

 地域自立戦略会議と名づけられたこの会は、有志の知事や有識者が、地域から、日本の仕組みを変えていこうという意気込みで開いているもので、この日の会合のテーマは地域福祉でした。

 この席で、話題提供を兼ねて、短めの講演をして下さった大学の先生から出たのが、「福祉の自給率」という言葉でしたが、食糧の自給率と違って、「福祉の自給率」は初めて聞く概念でしたので、この指標は、どんな目的のために作られたものなのだろうかと、考えてみました。

 と言うのも、食糧の自給率の場合、野菜や果物が大きなウェイトを占める、生産額を基礎にすれば、国内の自給率は、さほど低いわけではありませんが、穀物の比重が際立って高くなる、カロリーを基礎にした計算方法ですと、家畜の餌を含む大量の穀物を、アメリカなどから輸入しているわが国の自給率は、40パーセント余りにまで落ち込みます。

 ところが、その背景には、米づくり中心だった農業政策と、農業団体とがあいまって、「自給率を上げるためにもっと補助金を」と、政府に働きかけるための道具に使われていた、歴史がありました。

 ですから、ひとくちに自給率と言っても、何を目指すための指標かが明らかでないと、数字だけが自己目的化しかねないという恐れを感じたのですが、そんなひねくれた視点から見ると、まだ言葉だけが、先走りしている気もしました。

 ただ、全国一律の画一的なサービスではなくて、地域にある人材や文化などの、資源を活かしていこうという地域福祉の考え方は、正しい方向性だと思いますので、「福祉の自給率」という考え方が、地域福祉を進めるための指標になるような工夫を、自分でも考えてみたいと思いました。

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久し振りに聞く名前(10月16日)

 16日午後、大阪で開かれた、高知県人会近畿連合会の懇親会で、園芸セラピーをとりいれている、神戸の医師と再会をしました。

 この医師が、神戸市内で経営していた病院が、阪神淡路の大地震で大きな被害を受けた際、県人会のご縁から、視察がてらお見舞いに出かけたことがありますが、この日の懇親会で、この医師から、園芸セラピーの資料を手渡されたため、二重の意味で懐かしさを感じました。

 懐かしさの一つは、この医師にお目にかかったことそのものですが、もう一つは、園芸セラピーという言葉に対してでした。

 と言うのも、園芸セラピーというのは、タラソ、アロマ、動物、音楽など、「○○セラピー」と名づけられた療法の一つで、花や野菜を育てることを通じて、体と心を癒していこうというものですが、もう何年も前に職員の提案で、園芸セラピーを勉強するための、予算をつけたことがあったからです。

 その後しばらくして、県内の知的障害者の施設に、園芸セラピーをとりいれた、作業療法を見に行ったことがありますが、それ以来は、園芸セラピーとも、久しくご無沙汰をしていました。

 ですから、久し振りに園芸セラピーという言葉を耳にして、とても懐かしく感じたのですが、この医師から、「高知のグループは、全国的に見ても、なかなか頑張っていますよ」と聞かされて、うれしくも思いました。

 そんな話を聞いて、県の農業大学校の生徒と懇談をした時にも、将来、園芸セラピーの専門家を目指したいと語る、女の子がいたことを思い出しましたが、高知らしさを活かした、こうした活動が、地道に広がっていけばと思います。

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アメリカの温暖化を救う(10月15日)

 15日朝、昨夜の続きで、高知工科大学などとの、共同研究に参加している企業の方と話している中で、この研究がうまくいけば、アメリカの炭酸ガスの発生量を、一気に削減できるかもしれないという、夢のような話を聞きました。

 この共同研究の一環として、FELと言われる、新しい光源の研究が進められていますが、この光源は、蛍光灯の2分の1、白熱灯と比べれば、20分の1のエネルギーしか使いません。

 あわせて、このFELには、細かい点の集まりであるLEDとは違って、視野角が広い、つまり、どこからでも光を見ることができるといった特徴もありますので、実用化されれば、一気に使用が広がることも期待できます。

 「そこで」と、この研究に携わる企業の方が言うには、「もし、アメリカの照明が、全てFELに切りかわるとすると、アメリカの電力使用量は日本の3倍ある上、その30パーセントを占める照明用の電力の、ほとんどは白熱灯に使われているので、これがFELになるだけで、アメリカが果たすべき炭酸ガスの削減は、全て実現されることになる」とのことでした。

 これもまた、人から聞いた話しを、そのまま右から左へと伝えているだけですので、詳しい計算をしたわけではありませんが、少々大ぶりの風呂敷だけに、その分かなりの夢を包み込めそうです。

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規格をあわせる(10月14日)

 14日夕方、高知工科大学と企業が中心になって進めている、共同研究事業の交流会に出席しましたが、アメリカでの勤務経験の長かった方から、あらゆる面で、規格の統一が必要だとの話を伺いました。

 例えばと言って、この方が例にあげたのは、電機関係の企業の発注や受注の伝票で、日本の場合は、大手の各社によって一つずつ様式が違うため、それに合わせるのに大変な手間暇がかかると言います。

 これに対して、アメリカでは、会社が違っても伝票の様式が統一されているため、商品を納める側も購入する側も無駄な手間やコストが省ける、こういうところが日本のいけないところだと言うのが、この方の言い分でした。

 わずかな時間での立ち話でしたので、聞き間違いがあるのかもしれませんが、ビデオの時代のVHSとベータの争いや、新世代のDVDの規格など、あえて互換性のなさを売り物にしていく商品ならいざ知らず、その裏方にあたる分野では、規格を統一することで無駄を省くことも、大きな知恵だなと思いました。

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一命を取られないように(10月13日)

 13日午後、ブラジルのアマゾンから一時帰国した知人から、あらゆる意味でスケールの違う、楽しい話を一杯聞きました。

 定年前に、かなり早めに勤め人生活から足を洗った彼は、森林保全などにあたるボランティアとして、アマゾンの河口にある、ベレンと言う大都市に暮らしていますが、一時帰国したと聞いて、知事室まで足を運んでもらいました。

 もともと、森林の技術者である彼は、その経験を活かして、森林の違法な伐採を防ぐ仕事などにあたっているのですが、さすがに、雨量の多いアマゾン流域だけあって、100年間水に漬けたままにしておいても腐らないといった、独特の強さを持った木があると聞いて、まずはびっくりです。

 次のびっくりは、ボランティアの月給で、地元の労働者の平均年収が、日本円にして15万円と聞けば、ボランティアという名称からも、わずかな報酬を想像しましたがさにあらず、なんと月に40万円が支給されるのだそうです。

 さらに、来月から彼は、森林の造成から伐採までの計画づくりにも関わる、コンサルティングの仕事に応募しているのですが、正式な契約になれば、11ヶ月の330日分で、滞在費にあたるホテル代と飛行機代込みとは言え、あわせて2300万円が支給されるとのことで、諸雑費を除いた本給分では、高知県知事の年収を抜くのではないかと照れくさそうでした。

 ですから、この世知辛い世の中に、そんな甘い話がいつまでも続くわけはないと、ひとこと嫌味を言っておきました。

 ただ、もちろん良いことばかりではなくて、新しい仕事になれば、大都市のベレンを離れて、対岸の町に移り住むことになるのですが、さすが大河だけに、河口を飛び越えるだけでも、飛行機で45分かかると言います。

 また、月曜日から金曜日までは、森にこもってのハンモック暮らしですし、森の中には、毒グモのタランチュラや毒ヘビも姿を見せると言うことでした。

 そこで、「タランチュラは有名だけど、毒ヘビは、どんなヘビなの?」と尋ねると、長さが丁度1メートル程なので、日系人の間では、「一命取る」と恐れられているという、話の落ちがついていました。

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学生ネットワーク(10月12日)

 12日午後、NPOなど様々な活動に関わっている仲間と、学生を中心にした、若者のネットワークづくりについて話をしました。

 このことは、もともとは、自分の政治資金の使い方として、次代を担う人材の育成といった視点から、県内の大学生の、ネットワークづくりを進めてはどうかと考えたことが発端でした。

 しかし、つらつらと考えるうちに、始めから政治資金を使った政治がらみの活動になると、いかに政治家臭くないことを売り物にしている僕が相手でも、今時の学生さんは、少し引いてしまうのではないかと感じるようになりました。

 そこで、まずは、市内の中心部の商店街にある、空き店舗を溜まり場として開放して、県内の大学生や専門学校の生徒たちが、思い思いの自由な活動をしていく芽を、じっくりと育てていってはどうかという話になりました。

 このため、当初表明していた、自分自身が表に立ってという手法とは、違う形での出発になりましたが、若い仲間が、学校や専門の分野を越えてネットワークを広げていくことは、県が目指している、「住民力を活かした官と民との協働の仕組みづくり」を進める上でも意味のあることですので、いい形で裾野が広がっていくように、役に立てればと考えています。

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一気に進めるべき時か(10月11日)

 11日午前、県庁内の幹部会で、業務のアウトソーシングにも絡む、県庁のスリム化計画の進め方について議論をしました。

 県の財政状況やその原因を、ここで繰り返し述べることはしませんが、高知県庁の現状は、民間の企業であれば、人員を削減して給与の水準を維持するか、それとも、人員の削減をしないかわりに、もっと思い切った給与カットをするかを、労働組合に提示して、その選択を迫る時期に来ていると思います。

 このため、民間の方からは、県庁は現状認識が甘いのではといった、厳しい指摘を受けていますが、そうした中で高知県では、この財政危機を乗り越えて、自立した運営の出来る組織にするために、アウトソーシングや仕事の仕方の見直しを通じた、組織のスリム化を目指していますが、じわじわと、慎重にことを進めれば進めるほど、仕事への意欲をそいでしまう危険もあります。

 この日の幹部の会でも、こうした課題について意見交換をしましたが、一気に退職者をふやすための手だてや、組織の大幅な見直しを、前倒しして実施するといった対応が、必要な時かと感じ始めています。

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四万十を天の川に(10月10日)

 10日午後、窪川町のお寺で、新築する本堂の天井を飾る予定の、絵の原画を見せてもらいましたが、四万十川を天の川に見立てようという発想が、とても新鮮でした。

 このお寺は、四国88ヶ所の霊場の1つですが、来年新築工事に入る本堂の天井に、四万十川をモチーフにした絵を飾ることにしています。

 作者は、たまたまこのお寺を訪れて、スケッチをしているところを、お寺の奥さんに声をかけられたという、京都在住の画家で、見せていただいた原画には、群青をバックに、龍のようにうねる金色の四万十の流れと、本流と支流あわせて30ヶ所の、沈下橋のスケッチが描かれています。

 あわせて、四万十の流れに沿って、金色の細かい点描が散りばめられていますが、この効果で、天井画にした時には、四万十の流れを天の川のように見せたいとのことで、今から出来上がりが楽しみです。

 ただ、この絵を、厚さ15センチの杉板、182枚に書き込んでいきますので、作業は大変だろうなと思いながら、あらためて原画に目をやりました。

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トマトアイスは売り切れ(10月9日)

 9日のお昼間、四万十市で開かれた、川を考えるシンポジウムに参加した後、出演者と薬膳のお弁当を食べているうちに、2日前に知事室で食べた、トマトアイスのことを思い出しました。

 この薬膳弁当は、地元の食材を活かして作られたものですが、最近はどの地区に出かけても、薬膳や地産地消をテーマにした料理が、工夫されるようになっています。
 
 そのため、お弁当を食べながら、そんな地域の食材のことを考えているうちに、おととい、青年農業士のOB会の人達が知事室を訪ねてくれた時に、女性会員の方が届けてくれた、トマトアイスのことを思い出していました。

 と言うのも、これも地域のフルーツトマトを活かした新商品だったからですが、甘すぎないトマトの香りが、よく出ていましたので、その直後に知事室にお出でになった、航空会社の幹部の方に、ひとくち味わっていただこうと、同席していた秘書に、「さっきのトマトアイスを出して」と頼みました。

 ところが、いつまで待っても出てこないため、秘書の方に目をやると、胸の前で両手を交差させて、ばってんのマークを作っています。

 そこで、お客様を前に「どうしたの」と尋ねると、「全部いただいちゃったみたいなんです」と言う答えで、お客様も含めてどっと座がわきました。

 後で聞くと、別に、秘書課の女性陣が全部食べてしまったわけではなくて、あちこちにおすそ分けをしたとのことでしたが、それだけおいしかったということで、お客様にも納得していただきました。

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