「そんなもの」では済まさない(2月16日)
16日午前、高知県の宿毛市に進出をする、プラスチックの成型の分野では、全国的にも屈指の技術を持つ企業の社長から、高い技術を持つに至った心構えを聞きました。
この会社は、以前から宿毛市に立地している、給湯設備などのメーカーの、主要な取引先の企業として、宿毛市に進出してくれることになったのですが、製造業の基盤の弱い本県にとっては、初めてのプラスチック成型の専門企業ですので、県内の企業に与える刺激の面でも、大きな効果が期待されます。
このため、進出の決定を機に、知事室を尋ねて下さった社長に、プラスチック成型の分野で、名をなした秘訣を聞いてみました。
すると、大きな体に似合わず恥ずかしそうに、また遠慮がちに、次のような話をして下さいました。
金属に変わって、プラスチックという新しい素材が出てきた時に、金属ほど細かい成型が出来ないのは、プラスチックの性質上やむを得ないというのが、当時の常識でした。
というのも、例えば、パイプ状の管を作る時に、まわりにガラス質を使うと、金属と違ってプラスチックの場合には、どうしても、ゆがみが出てしまうのだそうです。
ところが、この社長はここで、「プラスチックだからこんなものだ、仕方がない」では済まさずに、何とか、金属なみの精度を出せないものかと考えました。
その結果、その管の中を削って、0. 1のレベルにあったゆがみを、0. 001のレベルまで減らして、金属並の精度を作り出したのだと言います。
この話を聞いていて、ろくろを使わずに茶碗などを作る、「てびねり」という手法で作陶をする場合に、分厚くなった部分をそぎ落とす、「削り」という工程があるのを思い出しましたが、それと同時に、こうした伝統的な技法が、現代の製造業の中にも、活かされているのかと感心しました。
それはともかく、「どうせこんなものだ」では済まさずに、どこまでも挑戦をする姿勢は、何の分野にも参考になる話でした。
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