ジャッジをする力(4月20日)
20日、結婚式で隣り合わせた外科の先生から、手術をする医師
に、一番必要な能力は何だと思いますかと質問を受けました。
そこに至るまでには、医師不足や、手術の手法の進歩など、いく
つかの話題がありましたが、この先生によると、ここ十年間に外科
医の数は、以前の4分の3に減っています。
その一方で、団塊の世代が高齢化することによって、がんにかか
る人は2倍に増えると予想されているため、このままでは、手術を
1ヶ月以上待たされる人も出るでしょうし、お金持ちは、海外に手
術を受けに行くことになるかもしれないと言います。
団塊の世代の一人として、他人事ではないと思いながら、お話を
聞いていましたが、せっかくの機会ですので、、外科手術の技術進
歩にも、話を向けてみました。
というのも、先日、大腸がんを切らずに手術した話を、聞いたば
かりだったからですが、先生に伺うと、こうした腹腔鏡を使った手
術を考え出したのは、産婦人科のお医者さんなのだそうです。
聞けば、腹腔鏡で子宮を見ていた医師が、器具をちょっと上に振
ったところ、胆のうが見えたことから、患部を切除する手術にも使
えると、思いついたとのことで、発想の転換が生み出した、技術進
歩の一つかと思いました。
次には、ロボットを使った手術の研究が、進められているそうで
すが、人間と違って手ぶれがないことや、人間以上に細かい切除や
縫合が可能なことなど、メリットは容易に想像できます。
ただ、そこには課題があって、というくだりで出てきたのが、冒
頭に書いた、手術をする際に、最も必要な能力は何だと思うかとの
問いかけでした。
それに対して僕は、集中力の持続ではないかと答えたのですが、
「それも大切ですが、何よりも重要なのはジャッジをする力です」
というのが、先生の答えでした。
つまり、体を開いて患部を見た瞬間に、検査だけではつかみ切れ
なかった状況を把握して、どう対処するかの判断を下すことが、最
も大切だというわけですが、この力を身につけるには、持って生ま
れた才能のほかに、熟練が求められますので、ロボットでは、そこ
までは無理ということになります。
なるほどと思って聞いていますと、先生から、「ジャッジの大切
さは、政治の世界でも同じでしょうが」と振られましたので、「確
かに、そうですね」と、うなずくしかありませんでした。
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