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2008/04/15

事件の教訓(4月14日)

 高知県が行った特定企業への融資をめぐって、当時の担当の幹部
が、背任の罪に問われた事件で、自分を含む県の幹部が、県に対す
る損害の賠償を求められた裁判の和解金を、この日、東京の銀行か
ら振り込みましたが、窓口の前で順番を待ちながら、東京都の肝入
りでスタートした新銀行東京への、400億円の追加出資との、類
似性を考えていました。

 モード・アバンセ事件と言われるこの事件では、当時の県の幹部
が、相手企業に高度化資金を詐取されたことを知りながら、そのこ
とが明るみに出たら困るとの保身の思いから、十分な担保を取らな
いまま県の資金を融資して、県に損害を与えたとして、背任の罪で
実刑の判決を受けています。

 これを、新銀行東京の件と見比べてみますと、東京都の場合は、
都が直接融資をしたのではなく、都が出資をした第3セクター型の
銀行が、融資の主人公ですし、貸付先の企業に、資金を詐取された
といった背景があるわけでもありません。

 しかし、直接の融資であれ、銀行という形を整えた上での融資で
あれ、原則は無担保・無保証という極めてリスクの高い形で、税金
が貸し出されていたことに変わりはありません。

 その結果、これまでに、およそ600件、86億円が、経営破綻
によって回収不能になっている上、3年間の累積で、1000億円
近い負債が生じていると言われます。

 これに対して東京都は、当時の銀行の代表に、全ての責任を押し
付けているように見受けられますが、原則無担保、3ヶ月以内に融
資を実行といった、都の描いたマスタープランが、銀行の現場を縛
っていたとすれば、責任の所在は一概には言えません。

 さらに、東京都は、400億円の追加出資が、この銀行の経営を
立て直すという根拠や道筋を、明確に説明できているとは思えませ
ん。

 実態は、追加出資がなければ、新しい年度を迎えられないという
状況の中で、今すぐ倒さないためにはともかく追加を、との判断が
働いたと推察されますが、それは、危険な追加融資に、共通の心理
状態かと思われます。

 もしそうだとすると、400億円を追加出資しても、なお銀行が
行き詰まった場合には、追加の400億円分に対して、損害賠償の
訴訟はもちろんのこと、刑事も含めての責任追及が、まったく起き
ないとは断言できません。

 特に、これだけ、税金の使い道に、厳しい目が注がれている時代
ですから、万一の場合、400億円の追加融資を、行政の裁量権の
範囲だと言って、逃げ切ることは難しいように思われます。

 それに加えて、回収不能になっている融資の中に、都議会議員の
口利きでもあろうものなら、議会ぐるみで、責任追及の矢面にさら
されることでしょう。

 そうならないことを望むばかりですが、自らが被告の一人となっ
た裁判の、和解金を振り込むために訪れた東京の銀行で、高知県の
事件は、教訓として生かされているのだろうかと、素朴な疑問を感
じていました。

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