この日のニュースに、大阪府の橋下知事が、職員組合の幹部とや
り合っている様子が流されましたが、かつての自分の姿と、重なり
合うものがありました。
この日のやり取りは、財政再建の一環として、職員の給与の切り
下げを提案している知事に、組合側が提案を再考するように求めた
もので、そのこと自体は、組合活動としては当然のことですが、こ
の場面が、抵抗なくマスコミに公開されていたことには、なにがし
かの感慨がありました。
というのも、知事になってまだ間もない頃、県立病院の経営改善
を提案して組合と対立をした時に、組合の幹部に、公開の場での討
論を呼びかけましたが、逃げ回られた経験があったからです。
その後は高知県でも、職員の給与カットなどに関して、知事と組
合の幹部がやり取りをする場合には、その場面を公開するようにな
りましたが、労使交渉を隠れ蓑に、県民や府民の目の届かないとこ
ろで、人件費という名の税金の使い方が、こっそりと決められてい
た時代に比べれば、白日の下での議論は大きな進歩です。
ただ、今回の橋下知事との意見交換の中で、組合の幹部から出た
発言には、今もってこんな考え方なのかと、あきれてしまう内容が
ありました。
それは、企業と府庁などの公共体とは違う、という主張の中で出
てきたものですが、利益の追求を目標とする企業と、福祉や教育、
治安のように、そもそも利益の追求とは相いれないサービスを提供
する役所とを、同列に扱えないことは言うまでもありません。
懲りない人たちだとあきれたのは、そこから先のくだりで、組合
の幹部は、「だから、赤字になるのは当たり前なのです」と言い切
るのです。
これを聞いた橋下知事は、「その発言は府民を冒涜するものだ」
と切り返していましたが、このやり取りを聞いていて、橋下さんが
んばれと声をかけたくなりました。
思い出してみれば、上に紹介した、県立病院の経営改善の提案に
あたっても、組合側からは、「医は仁術ではなく、算術なのか」と
いった、ためにする批判が出ました。
これに対して僕は、「医は算術であってはならないけれど、同じ
仁術を施すにしても、いくつかの手法がある。税金を使って病院を
運営をしている者として、その手法の中で、最もコストがかからな
いものを選ぶように努めるのは当然のことではないか。それが出来
ていないから、赤字をたれ流すことになるのだ」と、反論したこと
を覚えています。
それから、10年余りが経った今もなお、人前でも平気で、「官
庁は赤字になるのは当たり前」と言い放つ神経を疑いますが、こん
な人たちを支援者とする政党に、古い慣習を断つことなど出来るは
ずがないと、あらためて確信しました。