ロープの振幅(10月31日)
31日朝、麻生首相が、追加経済対策の発表とあわせて、年内の解散を事実上見送ることを表明したとの記事を見て、高校時代の英語の教科書に出ていた、崖下の洞窟に取り残された男の話を思い出しました。
この男は、崖の上からロープを垂らして、オーバーハングしている崖の途中にある洞窟に、キノコか何かを採りに降りるのですが、ロープを前後に揺すって、首尾よく洞窟の中に降り立ったものの、誤ってロープを手放してしまいます。
ロープは反動で大きく揺れますから、次に戻ってきた時に飛びつけば、もう一度やり直すチャンスが出来ますが、確実にロープをつかめるとは限りません。
かといって、そのまま洞窟の中にいれば、しばらくは安全ですが、自分がそこにいることに、誰かが気づいてくれるかどうかはわかりません。
むしろ、誰も気づいてくれずに、そのまま野垂れ死にをする可能性も高いのです。
ロープが戻ってくるまでの短い間に、あれこれと思い悩んだ挙句、男は最後のチャンスにかけて、洞窟の手前まで帰ってきたロープに飛び移りました。
麻生さんの場合はどうかと言えば、総裁選挙というロープをつかんで、見事洞窟内にあった総理の座を手に入れましたが、まずは、国会冒頭での解散というロープを、するっと手放してしまいました。
そのロープは、11月末から年末までの総選挙という形で、もう一度洞窟の前に戻ってきましたが、今回の解散見送りの決断で、戻ったロープに飛びつくチャンスも失いました。
ロープの振幅は、段々と狭まってきますから、次の機会には、余程のジャンプをしないと、首尾よくロープに飛びつくことは出来なくなります。
ましてや、任期一杯までとなると、ロープの揺れはほとんど止まっていますから、そのうち誰かが、崖の上からロープを巻き上げて、どこかにロープを持ち去ってしまうのではないかなどと、勝手な想像を巡らしてしまいました。
はて、その結末は。
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