補助金そのものの問題(10月19日)
19日朝、12の道府県が、年度内に使い切れなかった補助金の事務費を、不正に処理していたという記事を見て、補助金の持つ問題点を、あらためて考えてみました。
これは、会計検査院が、2006年度までの5年間を対象に、国土交通省と農林水産省の補助金を調べた結果ですが、任意に選んだ12の道府県すべてで、あわせて5億円にのぼる不正な処理が見つかったという内容です。
この記事を見て、まず思い出したのは、県庁の中でも、部局によって、事務費のゆとりに極端な差があったことでした。
これは、かなり以前に気づいたことですが、たとえば、国土交通省の公共事業を担当する土木部は、潤沢な事務費を持っていて、知事への説明資料も、カラーの写真やグラフの入ったものが出て来るのに対して、健康や福祉を担当する部の資料は、モノクロで質素なものでした。
理由を尋ねると、公共事業を実施する際には、事業費に見合った事務費がついてくるため、土木部などには、豊富な事務費があるとのことでした。
こうした、国の公共事業費の組み方にも、問題の一端があったかと思います。
また、今回の調査で明らかになった不正な処理の背景として、年度内に使い切れなかった事務費を返却すると、翌年から予算が削られるため、それを嫌って残った分を隠すのだといった、事情が説明されていましたが、その事情は、道府県の中だけでなく、補助金を交付している国の官庁の側にも、指摘できることなのです。
それが証拠に、使い切れずに余った事務費を、国に返そうとしても手続きが大変で、容易には返却できないという現実があります。
つまり、国の官庁としても、一度地方に交付した補助金を返されたら、今度は財務省に、来年度の予算を削られる心配がありますから、余っても返してほしくないのが本音でしょう。
ですから、もちろん地方の側も、コンプライアンス(法の順守)にもっと真摯でなくてはなりませんが、かといって、今回の調査結果をもとに、「これだから地方に権限は任せられない」という論調を導くのは、筋違いだと思います。
ことの本質は、この時代に相も変わらず、中央の省庁が補助金を配分することで、国が地方を支配するという、中央集権の体制を維持していることそのものの問題にあります。
この体制と、中央の官庁からの補助金の交付という仕組み自体が、全国一律で柔軟性のない政策や、その結果として出てくる、各種の無駄を生み出していることに、気がつかなくてはなりません。
こうした無駄をなくして、税の使い方に、もっと住民の目が届くようにするためにも、財源と権限を地方に移した、地域自立型の国の形が、今求められていると思います。
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