絵金婆ちゃん(12月9日)
8日午後、県中部の赤岡町で、絵金婆ちゃんの異名で親しまれたお年寄りの、ご霊前を弔いました。
この方は、高知空港に近い、香南市赤岡町の商店街で、こんにゃく作りをしているお店の名物お婆ちゃんで、今月初めに、89歳の天寿を全うされました。
この赤岡町は、「絵金」の通称で知られる幕末の絵師、「金蔵」のゆかりの地で、彼が描いた、おどろおどろしい芝居絵の屏風23点が、町に保存されています。
毎年、7月の第3週の土日には、この屏風絵を、商店街の軒先に飾って鑑賞する、「絵金祭り」が開かれますが、商店街では、この他にも、絵金をテーマにした「絵金蔵(えきんぐら)」というギャラリーや、絵金歌舞伎などを上演する「弁天座」という芝居小屋を設けて、町おこしに努めています。
その町おこしの象徴的な存在だったのが、こんにゃく屋さんのお婆ちゃんで、今月17日にNHKで放送される、絵師金蔵の番組でも、インタビュー取材を受けました。
亡くなったのは、そのインタビューを受けた翌日なのですが、その日もいつもと変わらず、お店の前に置かれた、二人が並んで座る形のブランコに腰かけながら、道行く人を手まねきしては、四方山話に花を咲かせていたそうです。
異変が起きたのは、夕方、お家の二階の部屋に戻ってからのことで、家人が気づいた時には、もうこと切れていたとのことでした。
お店に嫁いでこられたのは、17歳の時ですので、70年余り、この地で絵金を見守ってこられたわけですが、ご霊前の、人懐っこい笑顔の写真を見ながら、最後の一日、道行く人たちとは、どんな話をされたのだろうかと思いました。
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