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2009/05/03

消えたぼったくり(4月21日)

 21日、衆議院の総務委員会に、参考人として出席した橋下大阪府知事の、国の直轄事業に関する発言を聞いていて、知事のせりふの中から、ある表現が消えたことに気づきました。

 それは、「ぼったくり」という表現で、国土交通省などが、国の直轄事業を実施するにあたって、負担金の名で、地方に莫大な支払いを強いていることを指して橋下知事は、先月開かれた政府関係の会の席上、この表現を使って批判していました。

 「ぼったくり」という言葉は、普通の辞書には出ていませんが、その元にあたる「ぼる」という言葉を、広辞苑で引くと、コメ騒動の際の暴利取締令に出た言葉で、「暴利」を活用させたものといった語源の説明に続いて、不当な利益をむさぼることとあります。

 直轄事業の地方負担金は、法律に定められたことですので、その意味では不当とは言えませんが、国の直轄事業と言いながら、多額の負担金を巻き上げるやり方には、地方で仕事をしていた者として、強い疑問をを持っていました。

 これに対して国は、地方の側が、直轄事業にしてくれと陳情してくるんだと反論するでしょうが、そこには、限られた財政の中で、少しでも大きな事業をしたいという、制度の中での現実がありますし、財務省に予算をつけさせるため、国の省庁から、「陳情に来るように」と要請されるケースもあります。

 ただ、それを声高に批判して、国土交通省や農林水産省など、公共事業を担当する官庁に、意地悪をされては困るという実態もありますので、これまでは、突出した反対運動にはなりませんでした。

 それだけに、橋下知事の怒りの正論には、溜飲をおろした向きも多いかと思いますが、その際に橋下知事が、大阪・梅田の繁華街の名をあげて、ぼったくりバーの請求書でも、こんなひどいのはないと語ったことが、大阪の方の間では、別の意味で話題になっていました。

 というのも、大阪の有名な飲み屋街に、今時「ぼったくり」をしている店などないからですが、先日会った大阪の方は、「今では新宿の歌舞伎町にも、ぼったくりバーはないでしょう」と、笑っていました。

 橋下知事の発言から「ぼったくり」の言葉が消えた理由も、そのあたりにあるのでしょうが、直轄事業の地方負担金は、国の形を、中央集権から地域自立型に変えない限り、絶対に消えることはないでしょう。

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