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2010年7月

2010/07/31

大学院にひと区切り

 4月から、毎週金曜日に担当してきた、早稲田大学
の大学院での授業が、7月23日で、一区切りしまし
た。

 そもそも、授業計画を出したのが、締め切り日の直
前で、わずか2~3時間で、15回分の授業のタイト
ルを考えるという、離れ業でのスタートでした。

 また、一週間に一度、一時間半の授業をするのは、
並大抵のことではないと、毎週、痛感をさせられまし
た。

 それでも、どうにかこうにか、最後まで、授業をや
りとげることが出来ましたが、お陰で自分も、「事業
仕分け」と、「地域主権」や「新しい公共」との関係
性など、様々な分野の考え方を、整理しなおすことが
出来ました。

 院生の中には、なかなか温かいことを言ってくれる
人もいますので、次に続く世代と、これからも、何ら
かのつながりを持ち続けられればと思います。

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8歳の卵へのアドバイス

 7月の一夜、女流漫画家の方と、中華の食事を囲み
ながら、楽しいお話の数々をうかがいました

 歴史物を得意とする、この方が、中国の歴史上では
誰もが知っている、有名な女性に関心を寄せていると
聞いたため、中国の方を交えて、懇親を深めることに
したのです。

 すると、同席していた中国の青年が、8歳になる、
ご自分のお嬢さんが描いた4ページにわたるマンガを
取り出して、先生にアドバイスを求めました。

 正直なところ、適当にあしらわれるのだろうなと思
って、様子を見ていますと、作品に目を通した後、細
かく指導して下さるのです。

 特に、先生が評価されたのは、途中の地味なつなぎ
の筋を、きちんと描いている点で、背景の道路の絵な
ども、手を抜いていないところや、登場人物の顔の向
きを、色々と変えて描いている点などは、とても8歳
の子どもとは思えないとべたほめです。

 その上でのアドバイスが、また具体的で、一つは、
図鑑を教材に、動物や植物の絵を書いてみること、次
に、人間の骨の絵を学ぶことでした。

 人物を描くには、骨の構造を知らないといけないと
のことで、こちらも勉強になります。

 さらに、中国のアニメ系の学校では、絵の技術しか
教えないが、これでは、一本立ちする漫画家は育たな
いと言われます。

 というのも、シナリオが書けないと、魅力のあるス
トーリーが作れないからで、漫画家として成功するに
は、漫画家になるか、それとも映画監督になるかと、
悩むくらいでないといけないと、アドバイスされてい
ました。

 8歳の少女の作品を見て、ここまできちんと、コメ
ントをされるのもすごいと思いながら、やはり、一流
の人は違うと感心しました。

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豪雨の中の2つの標語 

 18日の日曜日、菅総理が、岐阜県内の、豪雨災害
の被災地を視察しましたが、その際のコメントを見な
がら、民主党が掲げる二つのキャッチフレーズが、頭
をよぎりました。

 その一つは、「コンクリートから命へ」という言葉
ですが、一連の豪雨で、鹿児島県の南大隅町では、大
きな土石流が起きました。

 テレビの映像で、山が削り取られた様子を、見た方
も多いでしょうが、崩れ落ちた土砂は、一段目の砂防
ダムを超えた上、二段目の砂防ダムを埋めつくして、
山の下にある、何軒かの住宅を押し流しました。

 この砂防ダムは、言うまでもなく、コンクリートで
出来ていますが、もし、ここに砂防ダムがなければ、
被害がもっと大きくなっていたことは、間違いありま
せんし、人命に関わる災害に、なっていたかもしれま
せん。

 民主党が、「コンクリートから命へ」という標語を
使って、現在の、公共事業の仕組みを、変えようとす
る気持は理解できますし、そのことは、是非実行して
ほしいと思います。

 しかし、その一方で、コンクリートを使った公共事
業が、多くの命を守っていることも事実ですから、そ
れを忘れて、「コンクリートから命へ」という、標語
だけが独り歩きしますと、国民の間に、何か違うので
はとの思いが生じかねません。

 それだけに、これだけ異常な豪雨が、連続して起き
る時代にあっては、この標語の使い方にも、十分配慮
してほしいと思いました。

 一つ目の話が長くなりましたが、もう一つ気になっ
たのは、「政治主導」という言葉です。

 それは、菅さんが、岐阜県の被災地を視察した後、
取材に対して語ったコメントを見て、感じたことです
が、菅さんは、今回の一連の豪雨災害に、国の補助率
がかさ上げされる、激甚災害を適用する意向を、強く
にじませました。

 ただ、この激甚災害には、広い地域にまたがる災害
と、局地的な災害の2種類があって、そのいずれにし
ろ、指定にあたっては、中央防災審議会が定めた、は
っきりとした基準があります。

 ですから、これだけ豪雨災害が続発する時代には、
この基準そのものを見直したいというのなら、「政治
主導」を目指す総理の発言として、理解できないでは
ありません。

 しかし、決められている基準に関わりなく、総理の
力で、激甚災害に指定するというのであれば、「政治
主導」をはき違えていると、批判されかねないと感じ
たのです。

 キャッチフレーズは、思いのたけを、短い言葉で伝
えていく力がありますが、それだけに、誤解を招く危
険もありますので、一連の豪雨災害による被害を見な
がら、こんな感想を持ちました。

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右も左もガラパゴス

 東京の私立大学で、教職課程をとっている、2人の
大学生から、教育実習の体験談や、就職活動の様子を
聞きましたが、未だにそんなことをしているのかと、
驚かされたことが幾つかありました。

 このうち、女性は社会人入学、男性は高校からです
が、お2人とも、教職課程を履修しているため、それ
ぞれの出身地で、教育実習を受けました。

 まずは、男子学生の話ですが、実習を前にした事前
の会議の後、打ち合わせがあると呼び出されて、出か
けてみると、指導教官からいきなり、「お前なめてる
のか」と、一発かまされました。

 さらに、「お前が来ることは、生徒にとってプラス
か」と、畳みかけてくるので、先生のご期待に添うべ
く、「プラスじゃありません」と答えると、「そうだ
ろう」と、少しご機嫌が戻ったそうです。

 それでも、なお気に入らないのは彼の髪で、1回床
屋に行っても駄目、2回目は刈り上げにしたものの、
中途半端だと言われ、結局、3回目に丸坊主にして、
一件落着となりました。

 こんな経緯から、こうなったら、この教師にほめら
れてやろうと奮起した結果、最後には、よくやったと
ほめてくれたそうですが、まるで、スポ根の物語を聞
くようでした。

 一方、社会人入学をした女性の方は、指導してくれ
た先生の教え方に、その中学の校長先生が、不満を持
っていたらしく、終わった後に校長さんに呼ばれて、
「あれじゃあ、盛り上がりのない講演だ、授業じゃな
い」と、1時間にわたって説教を受けました。

 教育実習をめぐっては、昨今、様々な議論がありま
すが、良くも悪くも、ガラパゴスのような、先生方が
いるんだなあと感心しました。

 さらに、就職活動の話になると、採用の基準がわか
らない上、相変わらず、有名校重視だとの不満が漏れ
ます。

 具体例を聞きますと、自分たちの大学の学生が、パ
ソコンからアクセスすると、1分で満杯になって受付
が締め切られる、ある企業の説明会でも、東大や一ツ
橋の学生がアクセスすると、まだ受け付けをしている
と言います。

 初めから、箸にも棒にもかからないと、判定がつく
のならまだしも、会ってみないと、わからないレベル
の大学生を、こうして門前払いしてしまうとは、企業
のリクルーターも、相当ガラパゴス化が進んでいるん
だなと、妙な関心をしました。

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2010/07/28

数に踊る政治

 参議院選挙の結果と、その後の、政局の話題を見て
いて、数字に踊る政治という言葉が、頭に浮かびまし
た。

 そもそも菅さんが、なぜ選挙を急いだかといえば、
5月末に、20%前後にまで落ち込んでいた、鳩山内
閣の支持率が、菅さんにかわった途端に、60%台に
跳ね上がったことが、影響していると思われます。

 つまり、その数字を見て、勝ち急いだと思うのです
が、もう一つ、ある数字を見て、思い立ったことがあ
ったのではないか、と感じました。

 それは、消費税に対する国民の反応で、各種の世論
調査では、消費税の税率の引き上げも、やむを得ない
とする答えが、半数を超える状況になっています。

 こうした変化を見て、菅さんを取り巻く人たちは、
これなら、消費税の問題を取り上げても、さほど大き
な傷を浴びないだろうし、逆に、国民には評判のよく
ないことでも、国にとって必要なことは、敢えてそれ
を口にする、勇気と責任感のあるリーダーだという、
イメージを売り込めると、判断したのではないでしょ
うか。

 その判断は、政治家として、決して悪いセンスでは
ありませんが、いかなる反応が出ても、自信を持って
説明をしていくだけの、準備も腹づもりもなかったた
め、目論見は、はずれてしまいました。

 その選挙結果を受けての政局も、数字に踊る形に流
れています。

 というのも、ねじれ国会を受けての、新しい連立の
可能性はどうかとか、選挙の敗戦を受けて、民主党内
の、小沢対反小沢のバトルが、9月の代表選挙に、ど
んな影響を与えるかといった報道が、あふれているか
らです。

 でも、そんな政局の話だけで、貴重な時間を費やし
てほしくはありません。

 普天間の問題や、年金改革など、与野党が力を合わ
せて取り組むべき課題が、数々あるのですから、そろ
そろ、永田町もマスコミも、数字に踊る政治から、抜
け出してほしいものです。

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別世界のような一体感

 参議院選挙の投開票日の午後、東京の武道館で開か
れた、松田聖子さんのコンサートを、見に出かけまし
た。

 前にも、書いたことがありますが、聖子さんは、デ
ビューして間もない頃、まだお元気だったお父さま、
それに、お母さまと一緒に、わが家のマンションの部
屋の、上の階に住んでいました。

 このため、ご家族とは、その後もおつき合いが続い
ていて、これまでにも時々、コンサートに出かけたこ
とがあったのですが、この日、久し振りに、武道館に
足を運びました。

 1階の最前列の席を、取って下さいましたので、左
隣は、聖子さんの育ての親にあたる、サンミュージッ
クの相沢会長と西郷輝彦さん、右の方には、小柳ルミ
子さんや江角マキコさんがいます。

 その中で、聖子さんのお母さんと並んで、身を乗り
出すようにステージを見つめる、小柳さんの姿は、ほ
のかに胸に響くものがありました。

 それにしても、2時間半にわたる、舞台で歌われる
歌のほとんどが、自分の知っている曲、つまり、それ
だけヒット曲が多い証拠で、あらためて感心してしま
います。

 また、バックバンドの紹介の際に、ドラムを叩いて
いた青年が、「秘密の花園」の発売日が、自分の誕生
日と言っていたのが、歌手としての、息の長さを象徴
していました。

 会場を見まわしますと、我々の世代から、若い女性
まで、幅広い層のお客さんがいて、そのかもし出す一
体感は、外の世界の不協和音をよそに、別世界のよう
に感じられました。

 コンサートの最後に、若い頃から、アンコール曲の
締めに使っている、「オンリー・マイ・ラブ」の歌詞
を聞きながら、懐かしさを噛みしめました。

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2人の元同僚を応援

 参議院選挙の投票日を前に、全国比例区に立候補し
ている、2人の元同僚を応援するため、それぞれの地
元に出かけました。

 元同僚というのは、元の知事という意味ですが、お
一人は民主党から、もうお一人は、みんなの党からの
出馬です。

 といっても、もちろん政党とは関わりなく、あくま
でも、個人的なご縁での応援でした。

 まずは、関東近県の市で、夕方の街頭に立って、応
援演説をしましたが、街頭でマイクを持つのは、ほぼ
1年ぶりのことですので、予行演習もなく話し始めま
すと、のどに相当響きます。

 この方は、もともとは官僚の出身で、いわゆる改革
派に、名を連ねる方ではありませんが、正義感と文化
の香りが身についた方で、お世辞抜きで、良識の府の
代表に、ふさわしい方だと思いましたので、そのこと
を強調する応援をしました。

 その翌日は、北東北の県庁所在地に足を運んで、午
前11時からの街頭演説を皮切りに、候補者と選挙カ
ーに同乗です。

 この方は、民間の出身で、改革派の知事と呼ばれた
仲間と一緒に、勉強会などを開いた間柄ですので、そ
んな経験もふまえて、応援をしました。

 最後の街頭は、夕方5時過ぎの、ショッピングモー
ル前で、この日は、自分の選挙と変わらないくらい、
のどと身体を使いました。

 お2人とも、元の同僚とはいえ、僕よりは、年齢的
にもずっと先輩ですので、その精神の若さから、学ぶ
ことの多い2日間でした。


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ボーイズ・ビイ・どうなるの

 6月の末、すでにベテランの域にある、国会議員の
方を訪ねて、あれこれのお話をうかがいました。

 僕は、以前から、マニフェストに、国民に支給する
手当の数字や、無料化する項目を並べ始めると、スー
パーの、安売りのチラシと変わらなくなると思ってい
ますので、まず、そのことを尋ねてみました。

 すると、マニフェストの発祥の国でも、有名な政治
家が、特に野党側は、国の財政の内情がわからないの
だから、数字を入れずに、理想だけを語っていればい
いと言っていると、教えて下さいました。

 また、財政のついでに、国債を発行し過ぎて、借り
た金を返せなくなる、デフォルトの危険性について聞
いてみますと、国債の市場でも、利率は相変わらず低
いままだし、それだけ引き受けもしてもらえているか
らと、差し迫った危機を、感じられている雰囲気では
ありません。

 面白かったのは、人材のことで、自民党には人がい
ないし、今度立ち上がる時には、この人が中心だと、
マスコミが口をそろえる人も、自分はどうかなあと思
うんだと、首を傾げられます。

 もう一つ、人材がらみでは、最近与野党とも、若手
の官僚や、松下政経塾の他に、金融や証券あがりの人
が増えてきて、証券ボーイズなんて言われていると、
いささか心配そうな表情をされました。

 なぜかと言えば、この方から見る限り、このボーイ
ズは、地に足がついていないからということで、証券
ボーイズ・ビイ・どうなるかが、かなり気がかりのよ
うでした。

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ビッグマックを逃す

 山形から帰った翌日、東京ドームで、巨人・横浜戦
を見た時のこと、あと一つのところで、残念な結果に
終わりました。

 といっても、試合そのものではなくて、残念だった
のは、マクドナルドのファンサービスを、手に入れら
れなかったことです。

 というのも、入場にあたって、手渡されたカードを
見ますと、両チームの選手が、仲良くホームランを打
った時には、ペアでのホームランを祝して、ビックマ
ックを一つプレゼントとあります。

 しばしそのことは忘れて、試合を見ていますと、横
浜の内川選手が、カーンという球音とともに、レフト
スタンドに一直線に運びました。

 こうなれば、あとは巨人の側に、一発が出ればと思
うと、自ずと声援にも力が入って、「ヒッサノリ・ヒ
ッサノリ」、「シンノスケー、シンノスケー」と、回
を追うごとに、大きな声になりました。

 ところが、横浜の押さえに出てきた山口投手が、え
らくいい出来で、スピードガンの数字も、150キロ
近くを指しています。

 そうこうするうちに、回も押し詰まって最終回、つ
いに、ジャイアンツの選手から、快音は聞かれないま
まで、ビッグマックは、はかない夢とついえました。

 いやあ残念と思いつつ、あらためて、ドームの中を
見まわしてみますと、上段に至るまで、満員の観客で
埋まっています。

 ということは、5万人ほどの数ですから、このお客
さんに、一つずつマックをふるまったら、引き換えに
来ない人の歩留まりを計算しても、かなりの金額にな
ります。

 ということは、もしかして、ペアのホームランが出
た時には保険金が出るような、損保の商品でもあるの
だろうかと考えながら、球場を後にしました。

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イカスミならぬ竹の炭

 6月の下旬のこと、山形県の南陽市で開かれた、森
づくりのシンポジウムに出席しての帰り、竹炭入りの
蕎麦に出あいました。

 このシンポジウムは、南陽市が主催したもので、僕
は、基調講演をした後、パネルディスカッションにも
参加しました。

 その後、市長さんが、遅めの昼食に誘って下さいま
したので、車に揺られて市内を走っていますと、順番
待ちのお客さんが、長い列を作っているお店がありま
す。

 聞けば、辛子味噌ラーメンで、全国的にも知られた
お店で、横浜にあるラーメン博物館にも、出店してい
るとのことでした。

 おー、頑張ってるなあと思う間もなく、車は市街地
を抜けて、緑豊かな農村地帯に入っていきます。

 着いたところは、そんな農村の一角にある、農家の
母屋を、そのまま使った蕎麦屋さんでした。

 広い部屋の中には、栃木など、県外からのお客様も
いて、なかなかの盛況です。

 待つことしばし、出てきたざる蕎麦は、イカスミの
パスタのような色をしています。

 これは何かと問うと、そば粉を練り上げる最後のと
ころで、竹の炭を砕いた細かい粉を混ぜて、仕上げの
練り込みをしたものとのことでした。

 イカスミほど黒くもない、程よく光る黒味で、お蕎
麦ののど越しも、これまた程よい加減でした。

 蕎麦を食べながら、市長さんが、この辺りで蕎麦屋
というと、昔は、このような、お客さんに蕎麦を食べ
させる店ではなかったと、話してくれます。

 では、昔の蕎麦屋は、何をするところだったのかと
聞くと、農家が持って行く蕎麦の実を、そば粉にひい
てくれるのが、蕎麦屋だったというお話でした。

 なるほどと、蕎麦にまつわる蘊蓄を肴に、さらに美
味しく、お蕎麦を味わいました。

 山形新幹線の、赤湯温泉駅までの帰り道、例のラー
メン屋さんには、まだ長い行列が出来ています。

 そこで、新幹線に乗った後、携帯を使って、ツイッ
ターのサイトに、「山形からの帰りの新幹線、南陽市
内で、車内から見たラーメン屋に長蛇の列」と、つぶ
やきを打ち込みました。

 すると、間もなくツイッターに、「新幹線から、ラ
ーメン屋の行列が見えたんですか?すごい動体視力で
すね」という、打ち返しがきましたので、そういう受
けとめ方もあるかと思って、早速、事情説明をしてお
きました。

 竹炭の蕎麦に明け、ラーメン屋の行列に暮れた、午
後のひと時でした。

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ステージで5曲も

 久々に高知に一泊して、高知在住の歌手のリサイタ
ルに、友情出演しました。

 この歌手は、大輝(だいき)さんといって、亡くな
った作曲家の、市川昭介さんのお弟子さんですが、今
も、故郷の高知県で、歌手活動を続けています。

 この大輝さんを応援している方に、一昨年来、お世
話になった関わりで、大輝さんのリサイタルに、友情
出演することになりました。

 会場は、午後と夕方からの2か所、しかも、舞台で
歌う歌は5曲とあって、本当なら、しっかり練習しな
いといけないのですが、その時間もないまま、本番の
日を迎えました。

 このうち3曲は、日頃から、カラオケなどで馴染み
の曲ですが、他の2曲は、僕のために作ってもらった
曲で、中でもそのうちの一つ、「夢遠く」と題した曲
は、前日に、初めてDVDで聞いたばかりとあって、
メロディを覚えるのも一苦労でした。

 まさに、「夢遠く」どころか、気が遠くなりそうな
ステージでしたが、それでも、どうにか5曲をこなし
て、無事友情出演は終わりました。

 久し振りに、ぐったりとくたびれた一日でした。

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霞ヶ関が思うこと

 霞ヶ関の気風に詳しい方から、現在の政府と官庁と
の距離など、もろもろのお話をうかがいました。

 この方は、ある省に、長くお務めになった後、省庁
間の調整にもあたっていた方で、霞ヶ関のことをよく
ご存じです。

 この日、強調されていたことの一つは、役所の人事
のことで、各省庁ごとに、近い将来予定されている、
その役所にとってのビックイベントに合わせて、人事
を組み立てていくと言われます。

 例えば、4年先に、国民の暮らしに大きな影響を与
える、制度の抜本改革が予定されているとしたら、そ
の時に、この人を担当の局長に、この人を、その下の
課長につけようと考えて、それを前提に、それまでの
間に、どことどこのポストを、経験させておけばいい
かを考えます。

 もちろん、必ずその通りに行くとは限りませんが、
幹部はいつも、そうした心がけで、組織経営をしてい
るといいます。

 これを、政治主導や、人事の一元化と称して、政治
家の権限に任せても、本当に、国民のための組織経営
が出来るのかというのが、この方の指摘です。

 そう言われて、思い出したのですが、政治家が口を
出して、役所の人事に関わった事例は、過去に4件ほ
どしかありませんし、いずれも、良い事例ではありま
せんでした。
 
 とはいえ、僕は、役所のトップの、実質的な人事権
を、総理大臣が持つことによって、政府の全体的な意
思が、実行に移しやすくなりますので、大きく仕組み
を変える時には、必要なここと思いますが、それだけ
の能力が、政治家の側にあるかと言えば、これも、ま
た大きな疑問符がつきます。

 そもそも、菅さんが、エイズ問題であげた手柄とい
われる資料も、役人のメモに近いものを、マスコミに
流しただけで、政治主導の力で、隠されていた公文書
を、暴き出したものではありません。

 また、たとえメモ書きであっても、それをきっかけ
に、役所の仕組みや、仕事の仕方を変えたというのな
らいざ知らず、そうしたわけでもありません。

 霞ヶ関のスタッフを抜きに、仕事が円滑に進むのな
らいいですが、そうはいかない現状の中で、言葉だけ
が独り歩きをしても、かえって、政官のねじれが進む
だけだろうなと、この方の、お話を聞きながら考えま
した。


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2010/07/06

夢のある話は難しい

 知事時代に、大変お世話になった、工学系の権威の
もとをお訪ねして、難しいお話を、いっぱい伺いまし
た。

 まずは、お互いの近況を語っていますと、先生は、
電子書籍を推進する、政府の委員を務めておられると
のことで、4月に立ちあげてから、2ヶ月というスピ
ードで、報告をまとめると言われます。

 この分野は、大手の印刷会社など、既存の業態への
配慮もあって、国内では、なかなか話が進みませんで
した。
 
 しかし、こうした国内事情から、アメリカにビジネ
スの場を求めていた、ソニーを呼び戻して、今は、印
刷や通信業界も巻き込んだ、グループが出来あがって
います。

 電子書籍が進んだ時、印刷、出版、取次、書店とい
う、紙媒体を相手にした業界がどうなっていくか、想
定はつかないものの、両立は可能ではないかと言われ
ます。

 また、アンダーラインを引いたり、書き込みを書い
たりすることも出来ますし、メモもサーバーにたまっ
ていくため、大学の授業も、Ipad 一つで、全て済む
ようになると予測されていました。

 一方、少し長い目で見て、期待できる夢の研究は何
かと伺いますと、量子コンピューターと光三極管、そ
れに常温超電導の三つをあげられました。

 このあたりから、話は急に難しくなって、理解が追
いつきませんでしたが、量子コンピューターが実現を
すると、処理の速度も容量も、飛躍的にふえるとのこ
とですので、どういう世の中になるのか、想像もつき
ません。

 また、量子コンピューターになると、現在の暗号は
使えなくなるということで、情報の保護や、軍事面で
の活用はどうなるのかと、話を追いかけながら、考え
をめぐらせました。

 もう少し身近なところでは、メガネのいらない3D
テレビの話がありました。

 これには、100倍の容量が必要なそうですが、こ
の分野は、日本が強いのではないかといった、楽しみ
なお話もありました。

 年齢的には、僕よりもずっと先輩ですが、体力も頭
脳も、とてもお元気な様子を見て、こちらも頑張らね
ばと励まされました。

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利休とカソリック

 赤坂の京料理の店で、お茶人と夕食をともにする中
で、お茶にまつわる、数々のお話をうかがいました。
 
 このお店は、京都が本店ですが、ミシュランの星を
もらっている、人気のお店とあって、ウイークデイに
もかかわらず、多くのお客様で賑わっています。

 食事をともにした方は、茶懐石の勉強会を通じて、
ここの店主と知り合ったそうで、飛龍頭の椀ものが出
た時に、茶懐石では、椀ものがメインディッシュだと
教えてくれます。

 それまで、茶懐石のメインディッシュは何かと、考
えたこともなかったのですが、言われてみると、椀も
のの価値がぐっと高まります。

 そんな、お茶にまつわる話の中で、興味深かったの
は、茶道の所作と、カソリックのミサとの類似点でし
た。

 ミサに使う布を、何と呼ぶのか知らないのですが、
例えば、儀式の中での布の使い方と、お茶のお点前で
の袱紗のさばきが、よく似ていると言うのです。

 そう言えば、何かそんな気がするなあと、双方の場
面を思い起こしながら、お話を聞いていました。

 この他にも、カソリックの儀式とお茶の所作には、
共通点が多いとのことでしたが、この方は、千利休自
身が、キリシタンだったのではないかとの説には、否
定的でした。

 ただ、利休ほどの人ですから、その時代の最先端の
異文化だった、キリスト教の所作に触れて、その中か
ら、多くのものを学びとったに違いないと思います。

 最近、このお店には、フランスやイタリアからも、
和食を学びに来るシェフがいるということですが、洋
の東西を越えた文化の交流は、時代をも越えて続いて
いるのだと、あらためて感じました。

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