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2011/08/03

北京報告(2)・・・息を潜める人たち

 北京訪問は、浙江省の温州で、高速鉄道の事故が起
きた直後でしたので、日中双方の方が、話題にしてい
ました。

 この事故は、日本では、高速鉄道の事故と報じられ
ていますが、中国では、時速300キロ超を高速鉄道
と、またそれ以下で、時速200キロ超の鉄道を、動
力組と呼びますので、今回事故を起こした列車は、向
こうの仕分けでは、動力組ということになります。

 それはともかく、携帯が普及している上、微博(ウ
ェイボ)と呼ばれる、中国版のツイッターを利用する
人が、2億人を超えていることから、中国鉄道部が、
従来のように事故を隠してしまおうとしても、それが
出来なかった事情は、これまで報道されている通りで
す。

 この事故について、24日の午後、僕が参加した、
日本の訪問団と会見した温家宝首相は、事故への対応
で、ほとんど寝られなかったと語りながら、落雷とい
う話もあるがという、日本側からの問いかけに対して
は、そういう原因もあるかもしれないし、他の原因か
もしれないと、慎重な言い回しでした。

 この事故の経過を、北京でウォッチしていた日本の
方は、中国の官界の方と、北京発の列車の責任まで、
上海鉄道局に負わせるわけにはいかないだろうと、話
していたそうですが、その予想に反して、上海鉄道局
の幹部が即刻飛ばされたので、驚いたそうです。

 しかし、考えてみますと、中国では来年が政権交代
の年で、9人いる中央政治局の常務委員のうち、7人
までが交代になりますので、周辺にいる党幹部は、そ
っと身を潜めている時期です。

 つまり、下手に目立ってもいけないし、そうかとい
って、この事故を理由に、出世レースから引きずり下
ろされてもいけないという、微妙な時期ですので、ま
ずは、北京にまで累が及ばないように、トカゲの尻尾
を切っておこうというわけでしょう。

 一方、町に出ると、一般の人の中には、やはり急ぎ
すぎだという声が聞かれます。

 確かに、日本が、1964年の東海道新幹線の開業
から、半世紀近くかけて積み上げてきたものを、6倍
ほどのスピードで実現しようとしているのですから、
急ぎすぎであることは間違いありません。

 さらに、町の噂では、胡錦濤主席のご子息が、この
鉄道のソフトウェアに関わったという話もあって、来
年に向けての各派の情報合戦も、水面下で戦わされて
いるようでした。

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