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2011/10/12

噂を信じちゃ・・・

 タクシーの運転手さんは、その仕事柄、町の噂話に
詳しいものですが、中国ではどうなのか、出張中に、
何度もタクシーに乗ったという方に、話を聞いてみま
した。

 その方は、この8月に、仕事で広州や北京等の大都
市を回ったのですが、中国でも、タクシーの運転手さ
んは、なかなかの情報通のようです。

 例えば、この7月に、浙江省の温州で起きた鉄道事
故は、テロだったとまことしやかに語る人もいれば、
8月にはある空港で、飛行機に爆弾を持ち込もうとし
た人が、捕まったとの情報もありました。

 このため、一時期空港では、靴を脱がせて検査をす
るほど、警備が強化されたというのです。

 空港の警備はともかく、爆弾を持っていて捕まった
人がいるなどというニュースを、見たことがなかった
ため、そのことを尋ねると、「もちろん、情報はすべ
て当局に押さえられているんだ」と、確信に満ちた答
えが、返ってきたそうです。

 話がテロ事件から、汚職事件に及ぶと、さらに、話
は現実味を帯びてきます。

 その中の一つは、厦門事件という、かつての汚職事
件にまつわる話でした。

 この事件は、貿易会社の社長が、役人や軍人に多額
の賄賂をばらまいて、巨額の密輸や脱税を繰り返した
という事件で、1990年代に摘発を受けましたが、
主犯格の社長はカナダに亡命していました。

 ところが、両国政府の間でこのほど、犯罪人の引き
渡しに関する合意が得られたため、この社長は、中国
に送還されました。

 これを受けて、タクシーの運転手さんの間では、彼
が帰ってくれば、江沢民派の悪事が次々と明るみに出
るだろうと、もっぱらの噂なのだそうです。

 それもこれも、上層部の不正に対する不満がつのっ
ているせいですが、そんな運転さんたちに聞けば、鄧
小平の改革開放の政策によって、確かに、生活は上向
きになったが、役人の腐敗は目に余るとの声が圧倒的
です。

 これは、別の筋から聞いた話ですが、そうした雰囲
気を反映してか、北京で、外国企業を相手に仕事をし
ている方が、北京郊外にあった自宅を、最近、空港の
近くに移したといいます。

 この方は、従来から、中国の将来に悲観的な方でし
たが、いよいよ不満が爆発する日は近づいているし、
その時には、天安門のまわりから動きが起きるだろう
から、万一の際には、情報をいち早くキャッチして出
国できるように、空港の近くに引っ越したというので
す。

 この方の予感も、タクシーの運転手さんの噂話も、
中国では割とありがちな話ですので、当たる確率がど
れくらいかはわかりませんが、日本への影響が特に大
きな国ですから、気にはなる噂話でした。

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