電車と音の物語
ある晩、食事を一緒にした方々から、電車と音にま
つわる、蘊蓄のあれこれを伺いました。
まず初めに、高知にご縁のある方から指摘を受けた
のは、コンビニの、ファミリーマートに入る時に鳴る
音のことでした。
高知市内には、今や、現存のチンチン電車では、日
本で最も古い歴史を持つようになった、土佐電鉄の路
面電車が走っていますが、この方によると、土佐電鉄
の電車が、停留所に近づく時になる警報音が、ファミ
リーマートの入店時と同じなのだそうです。
このためこの方は、ファミマに入った時、一瞬反射
的に、電車が来たのかと錯覚したと言います。
その話を聞いた、向かいの席の方が、電車の音と言
えば、踏切で鳴る、カンカンカンという音の警報器を
作っている会社は。一社独占だと知ってるかと問いか
けてきます。
初めて聞く話でしたので、どうしてなのかと尋ねま
すと、「全国の人があの音に慣れているため、あの音
に関してはみんな寛容なのだけれど、ちょっと違う音
が鳴ると、それが不快な騒音に聞こえて、すごいクレ
ームが来るので、変えられないんだ」と、なかなか説
得力のある理由です。
あわせて、この方が、電車の自動放送は、電車の上
り下りによって、男性と女性の声を使い分けているそ
うだと言いますと、先ほどのファミマの方が、「そう
そう、JRの山手線も、外回りと内回りで、男女の声
を分けているんだと説明してくれます。
それを受けて、再びお向いさんからは、その声を吹
き込んでいる人が、一人に決まっているので、その人
が外国に行っている時に新しい駅が出来ると、外国ま
で追いかけて行って、録音を撮ってくるらしいと、蘊
蓄はさらに深まりました。
どこまでが本当で、どこからが思い込みか、勘違い
かわかりませんでしたが、何の話題でも、ひとたび壺
にはまれば、話題はどこまでも広がるものだと感心し
ました。
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