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2012/02/10

古くて新しい言葉

 障害者問題に取り組む、小さな団体のシンポジウム
に参加して、災害弱者という古くて新しいテーマにつ
いて、あらためて考えさせられました。

 この日は、身体障害者だった父の、思い出などをお
話した後、視覚と聴覚の障害者の方と席を並べて、パ
ネルディスカッションに参加しました。

 視覚障害者の方は、12歳の時に失明した方で、全
国に3人しかいない、全盲の弁護士さんの1人です。

 一方、聴覚障害者の方は、関係の団体の役員をされ
ていますが、視覚と聴覚の障害者が、一緒にパネルを
するのは、珍しいことではないかと思いました。

 このため会場には、参加者向けとパネラー向けに、
2人の手話通訳者がいて、背中を向けあって手話をし
ます。

 パネルのテーマの一つは、災害時の障害者への対応
でしたので、僕からは、警報に気づくことが出来ない
聴覚障害者に、ファックスを流して危機を伝える工夫
など、経験のいくつかをご紹介しました。

 また、今回の東日本の震災と、その後の原発事故に
関して、官房長官の会見に手話通訳をつけてほしいと
の、ツイッターでのつぶやきを受けて、微力ながらお
手伝いをしたことなどもお話ししました。


一方、 他のパネラーからは、様々な問題点が指摘さ
れましたが、まず、今回の東日本の震災での、死亡率
を見比べてみても、健常者が1%なのに対して、障害
者は2%だったのだそうです。

 また、無事避難をして避難所に入ったものの、知的
障害のあるお子さんが大きな声を出すため、居づらく
なって、避難所を出て行った家族もいました。

 日頃から、障害者がいる環境が当たり前になってい
れば、こうしたことも起きないのにというのが、パネ
ラーの方からの指摘でした。

 さらに、個人情報保護法の壁で、JR福知山線の脱
線事故の時には、入院をした障害者に関する大切な注
意事項が、病院に伝わらなかった事例があったそうで
すが、東日本の震災の際にも、同様のことが繰り返さ
れたと言います。

 このように、障害者のパネラーから提起された情報
は、災害弱者という古くて新しい言葉を、あらためて
思い起こさせるのに十分でした。

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