« 高校生にもらった元気  | トップページ | 2時間半のぶっ通し »

2012/02/17

この夏の電力は  

 東京電力の方から、電力の需給調整に関するお話を
聞くうちに、より中立的な立場で、電力需給の見通し
を、考える必要があると感じました。

 あえて中立的と言ったのは、今この話題を取り上げ
ますと、必ず、脱原発か原発容認かといった二極対立
の構図に、話を持ち込む人がいるからですが、「脱」
だ「反」だと言うまでもなく、原発から脱却せざるを
得ない現状であることは、目に見えています。

 それだけに、その前提に立って、これから数ヶ月か
ら1年の間の電力需給の予測を、冷静に検討しないと
いけません。

 僕が話をうかがった、東京電力の方は、いわゆるえ
らい手ではなく、現場の第一線で仕事をしている方で
すが、電力の受給に関して、自分の認識にはなかった
話がありました。

 それは、一日に供給出来る電力の総量には、限りが
あるという話ですが、聞いた側が素人ですので、もし
かすると、誤解があるのかもしれません。

 ただ、そのことは横に置いて、聞いた話をそのまま
紹介しますと、これまで指摘されていた、電力の需給
に関する心配は、電力の消費量が一年でも一番多い、
真夏のある日に、使用量がピークを迎えた瞬間、電力
が不足して、電気が切れることがないかという点でし
た。

 このため、予想されるピークよりも10%分多い、
予備の電力を確保するようになっていますし、その予
備の分が3%を切った時には、他の電力会社から、東
京電力であれば、中部電力から、電気を融通してもら
えることが制度化されています。

 しかし、このような、電力消費の瞬間的なピークに
備えるという観点の他に、一日に使える電力の総量と
いう大枠があることを、考えなくてはいけないという
のが、この方の指摘でした。

 特に冬場は、朝と夕方過ぎの2回、電力消費量のピ
ークがあるのですが、今年は、例年になく寒い日が続
いたため、夜に入っても、使用量がさほど減りません
でした。

 この結果、一日の総量を使い切って、全面的な停電
に至る危険が出て来たため、夜になってから、企業向
けのPPSが供給する、電力の余剰分を買い取って、
やりくりすることもあったと言います。

 こんな話を紹介しますと、東電の社員だから、原発
の再稼働を目指して、都合のいい話を言ってるだけだ
のひと言で、片づけられるかもしれません。

 ただ、幹部の話ならいざ知らず、毎晩遅くまで需給
の調整にあたっている、現場の社員の話には、真摯に
耳を傾ける価値があると思いました。

 というのも、この話が聞き間違いでないのなら、こ
の夏はこのままでは済まないでしょうし、計画停電な
どの措置がないまま、そうした事態に陥った時には、
東京電力の管内では、丸一日から二日にわたって、全
面的な停電が起きる恐れがあるからです。

 僕は、たまたま、この話を聞いたわけですが、こう
したリスクが、現実にはどれくらいあるのか、中立的
な立場で、検証してほしいと思いました。

 例えば、電力会社で、電力の需給調整をしている部
署に記者が入って、需給のやりくりの現場を取材する
といったことは、出来ないのでしょうか。

 いずれにしろ、東京電力の関係者が言うことは、一
切信用できないと決めつける人には、何を言っても仕
方ありませんが、現場の苦労を理解しているとは思え
ない、電力会社の幹部と、全てを十羽ひとからげに批
判する立場の間で、気がついてみたら、全面停電にな
っていたという事態だけは、避けてもらいたいもので
す。

|

« 高校生にもらった元気  | トップページ | 2時間半のぶっ通し »