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2012/03/06

大隈公恐るべし 

 花粉の到来に備えて、表参道でユーカリの製品を買
いながら、昨年、明治神宮の神官さんにうかがった、
大隈重信にまつわる話を思い出しました。

 花粉症の経歴が長いため、これまでにも、漢方やら
注射やら様々な療法を薦められましたが、毎年その場
しのぎで過ごしてきました。

 ところが、今年は、ツイッターのフォロワーの方か
ら、ユーカリの香りが効く、しかも、あなたの家から
も遠くない、表参道のアロマショップで手に入ると、
推薦のつぶやきをもらいましたので、表参ブラのつい
でに立ち寄りました。

 このお店は、昔はブルーダニューブの陶器など、雑
貨類を扱っていましたが、今は、アユルヴェーダのア
イテムや、ハーブのアロマ類などを手広く商っていま
す。

 棚の整理をしていたお姉さんに、「ユーカリは」と
尋ねる間もなく、飛んで火にいる虫のごとく、ユーカ
リ製品の前に導かれて行きました。

 そのお導きに従って、ユーカリのティーバックと、
スプレーを買い求めましたが、その際、表参道と言え
ばと、ふと思い出したことがありました。

 それは、去年、明治神宮の神官さんから聞いた、神
宮の森の造成にまつわる話です。

 明治神宮の建設にあたっては、大正2年に神社奉祀
調査会が立ちあがって、場所を現在地に定めた後、境
内にどんな森を造るかが議論されました。

 その議論の中で、森林の専門家は、全国から様々な
種類の樹木を取り寄せて、自然に近い森を造ろうと提
案したのですが、この案に対して、杉の木を植えよう
と反論したのが、調査会の会長を務めていた大隈重信
でした。

 というのも、大隈公は、伊勢神宮を取り巻く、荘厳
な山の風景をイメージしていたからで、明治神宮も、
天に向かって真っ直ぐに伸びる、杉の木立でおおうべ
きだと考えたのです。

 二度・三度とやり取りがあったあげく、ついに大隈
公が折れて、現在のような、常緑樹と広葉樹の混じっ
た森になったとの話でした。

 もし、大隈公の意見が通っていたら、今頃の季節、
表参道には花粉が吹き荒れて、ぶらり散歩どころでは
なかったと思うと、手にしたユーカリ製品が、一層い
とおしく見えてきました。

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