« 時代を映すかがみ | トップページ | オークションマニアのお年寄り »

2012/07/07

「TH」サウンドが消える日

 英語教育を、英米のネイティブ中心の英語から、国
際語としての英語に広げようという、取り組みがあり
ます。

 これは、あるフランス人が始めた、グローバルなイ
ングリッシュ、グロービッシュという運動で、わが国
でも雑誌などに取り上げられて、一時注目を浴びまし
たが、その後は、伝統の英語教育を守ろうという勢力
に押されて、少し停滞気味になっています。

 実は、縁あって、そのグロービッシュの運動を、お
手伝いすることになったのですが、内容を知らないま
まではいけないと思って、セミナーを見学に行きまし
た。

 その日話をされたのは、ある大学の英語学の先生で
したが、ネイティブとして、生まれながらに英語を話
す人は、世界に3億人~4億人なのに対して、第二言
語として英語を話す人は7億人、さらに、インターナ
ショナルな言語として英語を使う人は、世界に10億
人いると切り出されます。

 つまり、世界にはネイティブではない英語使いが、
17億人もいるので、ネイティブな英語だけを教える
英語教育は、すでに、世界の流れから遅れているとい
うのです。

 このように、それぞれの国には、それぞれの国の英
語があるので、その表現はネイティブでは使わないな
どと言っていたのでは、いつまでも話せない英語で終
わってしまうと、話は続きます。

 例えば、わが国では、予定していた会合に出席しな
かった相手に対して、「どうして、来なかったんだ」
と問いかけるため、これを英語にしようとする時に、
「Why didn't you come」と言ってしまう。

 しかし、ネイティブの英語では、こうした場合に、
「Where were you(どこにいたんだい)」という言い
方をするため、正統派の英語教育では、ご注意を受け
ることになる。

 では、「Why didn't you come」と言って、相手に
通じないかと言えば、そんなことはないというのが、
この方のご指摘でした。

 それとは逆に、今夜はレストランで食事だと話しか
けたのに対して、外国の人が、「それはいいですね、
美味しんできて下さい」と、不正確な日本語で答えた
としても、話は通じるというわけです。

 このように、グローバル化が進む中で、言葉もどん
どん世界語になっていくので、英語特有の「TH」サ
ウンドも、やがて姿を消すかもしれないというのが、
この方のしめの言葉でした。

 考えてみれば、わが国で生まれたスポーツ柔道も、
世界に普及するのと引き換えに、柔道着はカラー化し
ましたし、ルールも、世界標準に合わせたものに変わ
りました。

 一足先に、国技館の優勝額は、すでに、すべて外国
生まれの力士に占められていますが、それらのことを
思えば、やがて、地球上から「TH」サウンドが消え
る日が、現実になるのかもしれません。

|

« 時代を映すかがみ | トップページ | オークションマニアのお年寄り »