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2012/07/08

あつものに懲りて

 マンションの理事会で、周辺の防犯が話題になった
せいか、あらぬことにまで心配が先走って、妻に笑わ
れる羽目になりました。

 うちのマンションのあたりは、昔は人通りも少ない
住宅街でしたが、最近では人通りも車の数も増えて、
それとともに、防犯上の問題で気にかかることも増え
てきました。

 このため、最近開かれたマンションの理事会でも、
玄関の自動扉が開いているうちに、住人の後を追うよ
うに中に入ってきた、見知らぬ人影の写真が話題にな
って、お互いに注意しないといけませんねという話に
なりました。

 帰宅後、妻に理事会での話をしますと、注意深い妻
からは、あなたは結構抜けたところがあるから、マン
ションを出入りする時には、あたりに十分気を配るよ
うにと、釘を刺されました。

 それからしばらくして、外出しようと玄関まで降り
ますと、自動扉越しに見える玄関のガラス扉の向こう
に、正座して座っているように見える、男性の後ろ姿
が見えます。

 マンションの玄関前の、タイル張りの床に正座して
座るとは、尋常な人ではないと思って、さっそく踵を
返して自宅に戻ると、妻に、「大変だ、下に変な男が
いる」と告げました。

 すると妻も、「すぐ見に行かなくっちゃ」と、つっ
かけを履くと、あわてて下に降りて行きます。

 妻を追って、再び玄関に戻ると、自動扉から玄関の
ロビーに出た妻が、「わっはっはー」と笑って、僕を
手招きしました。

 恐る恐るロビーまで出てみますと、タイル張りの床
に座っていたのは、電気か何かの工事の人で、ヘルメ
ットをかぶって、壁に向かって作業中でした。

 妻が小声で、「ヘルメットが見えなかったの」と言
いますので、「だって、ロビーまで出た時に、急に襲
ってこられたら逃げられないから、自動扉の内側から
のぞいたんだ。そうすると、外の扉が邪魔になって、
前かがみになった男性の背中と、正座した足の、足首
から先しか見えなかったんだよ」と、くどくどとした
説明を強いられました。

 あつものに懲りて、なますを吹くという諺がありま
すが、工事中の男性の姿が怪しい人物に見えるとは、
先入観は恐ろしいものです。 

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