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2012/07/09

お馬さんの再登板

 最近は、日本の経済やものづくりの将来を考えると
いった議論が盛んですが、何人かの方とお話をする中
で、なるほどこうした考え方もあるのかなと、感じる
ことがあります。

 その一つは、長野県の黒姫で、アファンの森という
財団を運営されている、C・W・ニコルさんにうかが
ったお話です。

 ニコルさんとは、高知の知事時代からのお付き合い
ですが、今回は、ある頼みごとがあって、久し振りに
ニコルさんの下を訪ねました。

 その頼みごとは、やはり、森林経営や木材の活用に
関することでしたので、本題の方は、すぐに快く引き
受けて下さったのですが、それならばと、逆に提案を
受けたことがありました。

 それは、馬を使って木材を搬出する馬搬、英語で言
えばホースロギングで運営する森の、認証に関するこ
とでした。

 ニコルさんによると、イギリスでは、かつて盛んだ
ったホースロギングを使った森林の経営が、一時は全
国で20ケ所にまで減ったものの、その後小規模林業
が見直されたことから、今では70ヶ所にまで増えた
のだそうです。

 これを受けて日本でも、岩手県の遠野で、馬を使っ
て木材を運び出す林業が試みられている他、宮城県の
東松島でも、同様の取り組みが始まっているというこ
とで、今後は各地に、ホースロギングを使った、小規
模な林業を復活させていきたいと、思いを語られてい
ました。

 実は、政府の国家戦略室も、民主党政権が発足して
間もないおととしの3月に、アファンの森を訪ねて、
ニコルさんから聞いた話を基に、いくつかの検討課題
をまとめているのですが、ニコルさんからは、その話
はまったく出ませんでした。

 考えてみるに、鳩山政権の当時と違って、政権交代
に伴う新しい風がぴったりと止んでしまった、現在の
民主党政権の下では、小規模林業の提案など、見向き
もされない状況になっているのでしょう。

 それに加えて、傾斜地の林地が多いわが国で、ホー
スロギングが成り立つのかとの心配もありますが、林
野庁が進めてきた、規模拡大の政策が壁にあたってい
る今、もう一度身近な資源に目を向けることも、価値
ある視点だと思いました。

 先ほど話に出した遠野では、伐採した木を馬が引く
姿が、一つの風物詩になっていると言いますが、そう
した光景があちこちで見られるようになれば、それも
また楽しそうですね。

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