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2012年10月

2012/10/03

「元」の名を求めて

 野田内閣の、三度目の改造人事を見ていて、先場所
の大相撲千秋楽での、解説者の言葉を思い起こしまし
た。

 それは、先場所の千秋楽でのことですが、千秋楽の
相撲に三役昇進がかかっている時、どれだけ勝ち星に
こだわるかという話になりました。

 この時、正面の解説者の北の富士さんは、僕はそん
なにこだわらなかったなあと言ったのですが、裏正面
にいた元小結の舞の海さんが、すぐに異論を差し挟み
ました。

 いわく、北の富士さんのように、横綱にもなれる人
は、一度や二度の三役のチャンスに、そんなにこだわ
ったりはしないでしょうが、僕みたいに、三役に一度
上がれるかどうかという者は、数少ないチャンスを必
死で戦ったもんですよ、と言うわけです。

 確かに舞の海さんは、1994年の秋場所に、たっ
た一度だけ、東の小結を経験しているのですが、なぜ
三役昇進にこだわるかの理由について、「一度でも昇
進すれば、引退した後にも、元小結と呼んでもらえま
すからね」と、語っていました。

 野田さんの下での、第三次改造内閣の顔ぶれを見ま
すと、18人の閣僚のうち8人までが新人で、マスコ
ミの論評を見ても、在庫一掃とか、滞貨一掃といった
表現が見受けられます。

 また、マスコミの伝える各人の入閣の理由も、これ
また、民主党の代表選挙で野田さんを応援したからと
か、小沢さんのグループにいたのに離党しなかったか
らなど、およそ内向きなものばかりですが、舞の海さ
んの言葉を思い浮かべながら、皆さんそれぞれに、元
何とか大臣という肩書が、ほしいのだろうなと思って
しまいました。

 とはいえ、肝心なのは今後の仕事ぶりですので、舞
の海さんのように、小兵でも一味違った、技のデパー
トぶりを発揮してほしいものです。

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悟りを開け

 電車で一緒になった、元気な女子中学生たちの会話
を聞いていて、何か楽しくなりました。

 この日は、羽田空港の国際線ロビーで開かれた、よ
さこいのイベントに参加した後、京浜急行で品川に向
かいました。

 いつもは、モノレールで浜松町に出ていますので、
慣れない京急は、乗り継ぎがわかりにくし、車内アナ
ウンスもなくて勝手が違うなあと思っていた時、女子
中学生の集団が乗ってきました。

 学校で一斉模試でもあったのでしょうか、日曜日の
午後にもかかわらず、そろって制服姿です。

 僕のそばに来た、仲良しグループの一人が、「ねえ
ねえ、私こないだ、悟り開けって言われたんだけど、
悟り開けってどういうこと」と、仲間に尋ねます。

 「え~っ、悟りねえ、なんだろう」と、一人が電子
辞書を取り出して、「悟り」を調べ出しました。

 辞書をのぞき込んでいた女の子が、「理解すること
とか、真理を会得することだってさ」と言うと、それ
を聞いた別の子が言いました。

 「てことは、悟りを開くっていうのは、理解を開く
とか会得を開くっていうことになるの?それって、文
法が間違ってるよね」

 「そうか、悟りを開くは、文法が間違ってるか」と
思う間もなく、電車は品川に着きましたが、ここまで
探究心があれば大したものだと感心して、楽しく電車
を降りました。

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2012/10/01

大炎上はしなかったが

 9月の末の深夜、大炎上生テレビ俺にも言わせろと
いう、怪しげな名前の番組が、TBSで放送されたの
を知っていますか。

 これは、若者のテレビ離れと同時に、ツイッターや
フェイスブックへの傾倒が進む中で、テレビの強みと
楽しさを、ソーシャルネットワークサービスとどうつ
なげられるかと、一見不真面目な顔をしながら、日々
真面目に悩んでいるテレビマンが作った番組だ。

 視聴者の側は、パソコンでもタブレットでもスマー
トフォンでもいいが、番組のページを開いておくと、
テレビの画面に各種のスタンプが送れるし、出演者の
意見に、賛成・反対の投票も出来る。

 投票結果は、賛成と反対のパーセントで表示される
が、番組のページに入る時に、♀と♂の登録をしてい
るので、男女別の比率も出る。

 おまけに、あなたは多数派でしたとか、少数派でし
たといったお知らせしてもらえる。

 これが、ほぼトラブルなく処理できていたのはすご
いと思うが、さらに、コメントを書き込むと、個人の
アカウント入りで画面に流れていく。

 ただ、動体視力も落ちた前期高齢者には、目にも止
まらぬ早さなので、熟年参加者は、相方と一緒に見な
がら、「あなた出たわよぉ~」なんて言ってもらうの
がいいかもしれない。

 これを、政治など時事ネタの議論に使うのがいいの
か、それとも別のやり方があるのか、今はまだわから
ないが、出演者の一人が思いついて投げかけた、橋下
徹さんが好きか嫌いかといった質問にも、好きに当た
る賛成が54%、嫌いに当たる反対が46%と、すぐ
に答えが出てくる。

 関東ローカルの番組を、北海道も受けているという
視聴エリアなので、54%は高いとも言えるが、自分
は正直、その程度かと感じた。

 といったことで、素晴らしい挑戦だと思ったが、こ
の日のように、何人かの出演者が思い思いの意見を述
べるのでは、やがて飽きてくるだろう。

 そのうち、このスタイルの番組を仕切る、独自の技
を磨いた専門のMCが出てくるかもしれないし、そこ
にスターが登場すれば、世の中にとってはやや危険か
もしれないが、テレビも変わってくるだろう。

 それにしても、システム設計や維持管理を含めて、
おいくらくらいかかったのだろうか。

 もし、さほどのコストでないのなら、将来は、この
スタイルの番組が、毎日同じ時間帯に、手を変え品を
変え流れるようになると面白い。

 とはいえ、視聴者に参加意識を感じさせられる分、
それがCMで切られる恨みもあるので、早く新しいビ
ジネスモデルを考えてもらいたい。

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ワシントンかあ~

  人の悪口は、あまり好きではありませんが、どうも
ある人が好きになれないので、嘘にまつわる話を書い
てみます。

 嘘にまつわる話で、子供の頃から疑問を感じている
のは、アメリカの初代大統領、ジョージ・ワシントン
と桜の木の話です。

 少年だったワシントンは、ある日、父親が大切にし
ていた桜の木を、斧で切り倒してしまうのですが、自
分が切りましたと、お父さんに告白します。

 これを聞いたお父さんは、お前はなんて正直な子だ
と言って、ワシントンを褒めたという話ですが、この
話を教わった時、そもそも、桜の木を切っちゃいけな
いんじゃないか、それを切っといて、先に謝ればそれ
でおとがめなしはおかしいだろうと、強い違和感を覚
えたものでした。

 もう一つ、木こりが池に落とした斧を、神様が拾っ
てくれるというイソップの話も、子供心に変な話だな
と思いました。

 これは、斧を落として困っている木こりに、池から
顔を出した神様が、お前の落とした斧はこれかと、金
の斧や銀の斧を出したのに対して、木こりが違います
と言うと、お前は正直な奴だと、木こりが落とした鉄
の斧も含めて、3本の斧を全部あげたという話です。

 そこまではいいとしても、それを聞いて真似をした
別の木こりが、神様の出した金の斧を、それが私ので
すというと、この嘘つき者めと叱られるのは、人の欲
につけ込んだおとり捜査のようなもので、あまりでは
ないかと後味の悪い思いをしました。

 などなど、嘘について、子供の頃から色々と考えて
きた自分にとって、マニフェストに書いてあることし
かやらないんです、書いてないことはやらないんです
と、自ら街頭演説で強調をしながら、平気で消費税の
増税に走った野田さんの嘘は、どう考えても納得がい
きません。

 斧を拾った神様には、欲張りな木こりをいじめてい
る暇があったら、マニフェストの池から消費税の増税
案を引き上げて、これはお前のマニフェストかと、野
田さんに尋ねてみてもらいたい。

 民主党の代表選の最終盤、新宿西口で候補者が街頭
演説をした時に、野田さんに対して、嘘つきというヤ
ジが飛んだとの報道がありました。

 その演説の中で野田さんは、マニフェストになかっ
たことをして申し訳なかったと言ったそうですが、そ
んな時には、「嘘つき」というよりも、「ワシントン
かあ~」というヤジの方が、ふさわしかったかもしれ
ません。

 八つ当たり的な悪口雑言で、お目を汚しました。

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