「元」の名を求めて
野田内閣の、三度目の改造人事を見ていて、先場所
の大相撲千秋楽での、解説者の言葉を思い起こしまし
た。
それは、先場所の千秋楽でのことですが、千秋楽の
相撲に三役昇進がかかっている時、どれだけ勝ち星に
こだわるかという話になりました。
この時、正面の解説者の北の富士さんは、僕はそん
なにこだわらなかったなあと言ったのですが、裏正面
にいた元小結の舞の海さんが、すぐに異論を差し挟み
ました。
いわく、北の富士さんのように、横綱にもなれる人
は、一度や二度の三役のチャンスに、そんなにこだわ
ったりはしないでしょうが、僕みたいに、三役に一度
上がれるかどうかという者は、数少ないチャンスを必
死で戦ったもんですよ、と言うわけです。
確かに舞の海さんは、1994年の秋場所に、たっ
た一度だけ、東の小結を経験しているのですが、なぜ
三役昇進にこだわるかの理由について、「一度でも昇
進すれば、引退した後にも、元小結と呼んでもらえま
すからね」と、語っていました。
野田さんの下での、第三次改造内閣の顔ぶれを見ま
すと、18人の閣僚のうち8人までが新人で、マスコ
ミの論評を見ても、在庫一掃とか、滞貨一掃といった
表現が見受けられます。
また、マスコミの伝える各人の入閣の理由も、これ
また、民主党の代表選挙で野田さんを応援したからと
か、小沢さんのグループにいたのに離党しなかったか
らなど、およそ内向きなものばかりですが、舞の海さ
んの言葉を思い浮かべながら、皆さんそれぞれに、元
何とか大臣という肩書が、ほしいのだろうなと思って
しまいました。
とはいえ、肝心なのは今後の仕事ぶりですので、舞
の海さんのように、小兵でも一味違った、技のデパー
トぶりを発揮してほしいものです。
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